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総事業費100億円弱、11月着工/九電工や北野建設が出資/塩尻市に木質バイオマス発電所

2018/04/14 長野建設新聞

 征矢野建材(松本市)、九電みらいエナジー(福岡県福岡市)、九電工(同)、北野建設(長野市)の4社が共同で、塩尻市片丘に県内最大規模の木質バイオマス発電所を建設する。プラントの整備は荏原環境プラント(東京都大田区)と三井三池製作所(東京都中央区)のJVが担当。九電工と北野建設も施工に携わるもよう。着工は本年11月、運転開始は2020年10月の予定。総事業費は100億円弱を見込む。征矢野建材の桜井秀弥代表取締役などが12日に県庁で会見を開き発表した。

 事業主体は、木質バイオマス発電事業の特定目的会社として設立した「ソヤノウッドパワー」。出資者は4社のほか、グリーンファイナンス推進機構と八十二キャピタルの計6社。代表取締役会長は征矢野建材の桜井代表、代表取締役社長は九電みらいエナジーの武末伸二取締役・設備運営本部長が務める。

 建設場所は15年4月に竣工したソヤノウッドパークの敷地内。発電所用地は約1万9600㎡。定格出力は1万4500kWで、年間の想定売電量は約9500万kWh。これは一般家庭で使用する電力の約2万6000世帯分に相当する。発電した電気は固定価格買取制度により全量を中部電力が買い取る。

 燃料には間伐材などの未利用材や木材加工施設から発生する製材端材を使用。年間使用量は約14万t。

 県内最大規模の木質バイオマス発電所で、木材加工施設と木質バイオマス発電所を1カ所に集約した施設としては国内最大級となる。会見で桜井会長は「ようやく木材加工施設とバイオマス発電所の両輪が回るようになる。県内林業の発展や地域経済の活性化に寄与できれば」と抱負。武末社長は、九電みらいエナジーが参画した理由について「長野県の豊富な森林資源は、バイオマス事業地としてを非常に有望。また、今回の発電所は国産材を使用する施設としては大規模で魅力的。とても良いスキームの事業」と述べた。

 本事業は、木材の新たな需要創出と循環型社会の形成に向けて県、塩尻市、征矢野建材が連携して始めた「信州F・POWERプロジェクト」の一環。発電所は当初、木材加工施設と同時に稼動する計画だったが、事業費の増大などもあり調整に時間を要し、ようやく事業化が決まった。

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