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【高速道路】ワイヤロープの事故防止は実用化可能

2018/05/16 本社配信

 高速道路の暫定2車線区間における正面衝突事故防止の緊急対策として、国土交通省が2017年度にワイヤロープを試行設置した区間で高い事故防止効果を発揮したことが分かった。試行設置した全国12路線・延長115・1㎞の土工区間では対向車線への飛び出しは1件、死亡事故は0件で、16年度の飛び出し45件、死亡事故7件と比較して大幅に件数が減っている。橋長50m未満の中小橋部のワイヤロープに関しても土工部と同様の事故防止効果が確認された。

 14日に開かれた有識者による技術検討委員会では土工区間、中小橋ともに飛び出し防止性能の信頼性は高く、高い事故防止効果を発揮しているとし、土工区間については「走行性、維持管理、緊急時対応で大きな課題が生じておらず、技術的に実用化が可能」と評価した。実用化に当たっては接触率の低減が確認された導流レーンマークを適切な走行位置となるよう設置することなどに留意する必要があるとした。

 中小橋については曲線部で支柱の固定方法に課題が見られたため、試行設置箇所を拡大し、実用化に向けた取り組みが必要と指摘している。

 なお橋長50m以上の長大橋やトンネル区間について国交省では、現在実施している公募選定技術の性能検証を引き続き進める見通しだ。

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