小千谷市立東小千谷小学校で18日、県長岡地域整備部による出前講座「みんなの土木教室」が開かれた。総合学習の一環として、建設業の役割への理解を深める目的で県が実施。4年生47人が実験を交えた授業に参加した。
所管内の学校施設を訪問し、土木と建設業のPRを展開しており、今回は14年前に発生した中越大震災をテーマに、地元に近い妙見の大規模土砂崩れの復旧に関わった土木・建設業の役割を説明している。
講師を務めた長岡地域整備部の山崎裕次計画専門員は、最初に被害状況を解説。「幅250m、高さ50mにわたって50万立方の土砂が崩れた。復旧案を3案考え、現道ルート354mの27万立方の土砂を20億円の工事費で取り除いた」と述べた。
その際「1年間計画を練って地震から2年半、工事から11カ月で完成したスピード復旧だった。工事をした建設業の人たちは夜や冬の間も仕事を続けた」と加え「多くの人の努力があった。人の役に立ちたい気持ちを持った人間に成長して欲しい。きょうのキーワードである、土木と建設業を覚えてね」と呼びかけた。
講座の途中では地震による液状化を実験で再現。砂を入れた水槽をマッサージ機で振動させ、模型のマンホールが浮き上がる様子に子どもたちは声を上げて驚いていた。
授業の終わりでは「川口が震源地だとは知っていたが、小千谷も被害がすごかったのが分かった」「なぜ建物が沈むのにマンホールが浮いてくるのか不思議だ」など、感想を述べあう子どもたちの姿が見られた。
【写真=4年生47人が実験に参加した】