記事

事業者
山梨県笛吹市

笛吹市が新競技場整備を検討 石川県の参考施設を視察

2018/12/12 山梨建設新聞

 笛吹市は新たな競技場の整備を検討する。国が進めるスポーツと観光を融合した取り組み「スポーツツーリズム」などに活用する方針。11日の定例議会で神澤敏美議員の質問に答えた。

 山下政樹市長にはすでに大まかな構想があるのか。市長をはじめとする市幹部は8月、参考となる石川県七尾市の施設を視察。同市は笛吹市同様、温泉を持ちスポーツ観戦に伴う周辺観光の活性化について先進的な取り組みを進めている。

 笛吹市によると、七尾市は人工サッカー場3面、フットサル場2面、ビーチフットサル場1面、人工芝テニスコート24面を備えた「和倉温泉運動公園」と、人工芝サッカー場2面、フットサルコート兼テニスコート3面がある「能登島グラウンド」を軸とした、スポーツ合宿誘致事業を展開。年間の経済波及効果は7億円に上るという。市総合政策部の深澤和仁部長は「本市にとっても非常に参考になる取り組み。この事例を参考に検討していく」と今後具体化を進める考えを示した。

 神澤議員は市内のスポーツ選手が全国大会などで優秀な成績を収めていることについて「老朽化した体育施設を利用しての好成績に敬意を表する」と述べ、練習環境の充実を訴えた。

 神澤議員は平成26年3月に体育協会から市営総合運動場建設促進の要望書が議会に提出されてから、3度にわたり市議会で競技場建設を訴えてきた。その時市は「既存施設の活用を検討しスポーツと融合した滞在型の観光地づくりに取り組む」と答えた。

 神澤議員は「スポーツ大会やイベントを誘致して温泉郷と連携したスポーツ観光を確立するには、公認の大会の開催が可能な専用競技場が必要」と既存施設とは別の新たな施設の必要性を強調。「小瀬スポーツ公園との連携を視野に、魅力ある滞在型のスポーツ施設で観光に寄与すべき」と続け、スポーツ観戦などと融合した観光戦略を進めるべきとした。

 また神澤議員は、この施設以外に温泉や宿泊施設、医療・運動施設などを備えたアスリートの体をケアする施設の整備も提案。これについて深澤部長は「今のところは検討していない。先進事例を調べ研究していく」と述べるにとどめた。

紙媒体での情報収集をご希望の方は
建設新聞を御覧ください。

建設新聞はこちら