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候補地点10カ所を決定/4カ所は19年度までに発注/新水力発電所整備

2019/01/19 長野建設新聞

 県企業局は現行の固定価格買取制度(FIT)を活用した新規の水力発電所整備を推進するため、開発候補地点10カ所を決定した。このうち、すでに詳細設計・工事一括で事業者選定に入っている「小渋第2発電所構内」(松川町、想定最大出力150kW以上、年間想定発電電力量約250世帯以上)を含む4カ所は早期着手地点として、2019年度までに工事を発注する。残る6カ所は次期FIT制度も視野に入れつつ、採算性を確認した上で早期の整備を目指していく。

 FITは20年度末に大幅な見直しが予定されており、現行制度を活用するためには遅くとも同年度内に設計を完了し、認定申請を行う必要がある。早期着手地点のうち小渋第2発電所構内を除く3カ所は19年度にかけて事業性評価(概略調査)を進め、採算性が確認できれば同年度中に発注する。事業者の選定方法は小渋第2発電所構内同様、プロポーザル方式による詳細設計・工事一括発注とする。

 このうち「与田切川上流」(飯島町、想定最大出力999kW、年間想定発電電力量約1000世帯)は流量観測を含め概略設計の比較検討を実施中。業務担当は東洋設計。「湯川ダム」(御代田町、想定最大出力154kW、年間想定発電電力量約200世帯)は現場施工方法の検討などを含め概略設計の比較検討を進めている。業務担当は建設技術研究所。「湯の瀬ダム」(長野市、想定最大出力790kW、年間想定発電電力量約950世帯)は今後、取水方式の検討などを含め概略設計の比較検討を行う。

 小渋第2発電所構内の発電所建設工事は1月11日付で公募型プロポーザルを公告。技術提案書のヒアリングは2月15日に行われる。工事予算額は3億8060万円(上限額、税込み)。履行期限は21年3月19日で、同年4月の運転開始を目指す。


■砂防ダムやため池への設置も

 また、早期着手地点以外の6カ所については20年度にかけて概略調査を行い、採算性が確認できれば同年度中に発注する。6カ所のうち「川上村秋山」(想定最大出力50~100kW、年間想定発電電力量約150世帯)、「川上村梓山」(同)、「南箕輪村大泉」(想定最大出力50~150kW、年間想定発電電力量約250世帯)の3カ所は、県が管理する砂防ダムを活用。「長野市奥裾花」(想定最大出力30~50kW、年間想定発電電力量約80世帯)は発電所を活用する。

 「富士見町立沢ため池」(想定最大出力50~150kW、年間想定発電電力量約200世帯)は2カ所あるため池の高低差を利用。「飯島町七久保北村」(想定最大出力50~150kW、年間想定発電電力量約300世帯)は農業用水路への設置を想定している。

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