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【i-Construction】ICT施工や平準化で自治体の取り組み拡大を

2019/07/18 本社配信

 建設現場の生産性向上へ国土交通省が実施するi-Constructionの推進に向けた産学官会員によるコンソーシアムは17日に第5回企画委員会を開き、これまでの取り組み状況を踏まえた今後の方向性を議論した。ICT施工や施工時期の平準化については、地方自治体への取り組み拡大を図る考え。

 ICT施工に関しては、従来施工に比べ3~4割の時間短縮の導入効果があった。ただし2018年度のICT活用工事の公告件数に占める実施件数の割合は国の57%に対し、地方自治体は22%にとどまるため、今後は先進的な取り組みの情報共有やサポート事務所による自治体連携などを通じた支援を進める。ICT対象工種の拡大では、維持修繕系工事等を検討していく。

 全体最適の導入のうちコンクリート工の生産性向上について、プレキャストは現場打ちに比べ約2~5倍の効率性があり、有効性が確認された。今後はプレキャスト(ハーフ・サイト・大型化)の進化を目指す。また土木構造物設計ガイドラインを3月に改定したことから、19年度には土木構造物設計マニュアル・手引き等の改定を進める。生コン情報の電子化は国交省発注工事で試行する。

 施工時期の平準化は、年度の平均と4~6月期の平均稼動状況の比率となる「平準化率」が、18年度は国で0・85、都道府県が0・75、市町村が0・55であるため、自治体へ平準化率向上を促す。さらに改正品確法で公共工事等の施工時期の平準化が「発注者の責務」として明確に規定されたことから、▽平準化の取り組み状況の見える化▽サポート体制の拡充と周知▽平準化の効果の発信―を行う。まずは一定規模の工事契約件数がある都道府県、人口10万人以上の市に対して重点的に施工時期等の平準化の取り組み実施を働き掛ける。

 3次元データ等の利活用では、BIM/CIMの適用拡大を掲げる。全国10カ所のi-Constructionモデル事務所では、個々の3次元情報活用モデル事業で重点的に検討する項目を設定し、3次元データ利活用ルールの策定を加速させる。

 本年度が3回目となる「i-Construction大賞」の表彰は、中小企業や地方自治体から、より積極的に取り組んでもらえる形で実施を検討する見通しだ。


【写真=生産性向上の取り組みの現状と方向性を確認した】

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