記事

事業者
栃木県壬生町

壬生町 新庁舎基本設計案、来年2月頃に総合評価公告、付属棟RC造2階980平方m、RC造3階6530

2019/07/27 日本工業経済新聞(栃木版)

 壬生町は、新庁舎建設事業の基本設計案をまとめた。RC造3階建て延べ床面積約6530平方mの新庁舎、RC造2階建て延べ床面積約980平方mの付属棟で構成。新庁舎に役場機能を集約し、付属棟は防災センターや公用車庫が入る。引き続き実施設計に移行し、来年2月をめどに総合評価落札方式による条件付き一般競争入札を公告。来春には落札者を選定し、議会承認後に着工する。21年度までの3カ年にわたる継続費35億1680万円を設定している。

 継続費内訳は19年度2億230万円、20年度20億9730万円、21年度12億1720万円。現庁舎(通町12-22)から町総合運動場CDグラウンド(壬生甲3841-1)に移転新築する。基本・実施設計は梓設計(東京都品川区)が担当中。

 「町のリビング」を目指し①結びの庁舎(交流・創造)②安心の庁舎(防災中枢拠点)③憩いの庁舎(使いやすく親しみが持てる)④発信する庁舎(町の魅力を伝える)⑤スマートエコ庁舎(費用対効果を踏まえた環境手法)-の5つのテーマを設定した。

 北側前面の一般町道3号線に面し、駐車場を配置。庁舎を正対させ、分かりやすい主出入り口を設ける。駐車場側から待合・窓口、執務、サポートと段階的に配した明快なゾーニング。利用頻度が高い窓口部門は1階に集め、広めのフロアを確保する。

 窓口エリアは1・5層のゆとりある階高の平屋で、6m程度の天井高。明るく開放的なイメージとなり、見通しが良く職員も働きやすい。その他のエリアは一般的な階高の3層とし、合理的な断面構成に努める。2階執務室は南側に寄せ、職員の一体化につなげる。

 大空間の執務室空調は床吹き出しとし、天井仕上げ材や設備の落下を防止。エレベーターはストレッチャーが入る規格とする。各階には多機能トイレを備え、バリアフリー仕様とする。プライバシーを守る相談室、町民の利用しやすい場所にベビーステーションを配す。

 災害対策本部を兼ねる庁議室は町長室や副町長室と同じ2階に設置。総務課、総合政策課、建設課、都市計画課といった防災関連部署と密接な連携を図ることができる。階段の有効幅員は120㌢以上、踏み面は30㌢以上、蹴上がりは16㌢以下とする。構造体は1種、建築構造部材はA類、建築設備は甲類の耐震構造。

 2層分の階高が必要な議場を最上階の3階に配し、天井高6mの室容積を確保。議場の重厚感を保つとともに、議会の独立性を尊重する。議員諸室はセキュリティーを強化する一方、町民に開かれた議会となるよう町民ロビーや展望デッキを設ける。

 建物は上層部をセットバックとし、周囲への圧迫感を抑える。伸びやかな低層により豊かな平地林の景観と調和する「緑園都市」をアピール。ロングスパン構造の無柱化やコアの集約、2重床を採用。メリハリに富んだ外装、エネルギー消費の軽減を図る。

 東西に長い配置とし、上下移動が最小限で済む。新庁舎北東部の多目的広場との関係性を含め、敷地東側を南北方向に縦断する主要地方道宇都宮栃木線への積極的な顔づくりが実現。北側の総合運動場、西側の保健福祉センターを含めた新拠点ゾーンを創出する。

 付属棟は西側道路に最も近い場所に防災センターを計画し、災害時に迅速に対応する。車庫は建設課のトラックの出入りがスムーズな高さとなり、中型バスが収容できる。建設課車庫近くに作業スペースを確保し、有事の際は復旧資材を作製する。

紙媒体での情報収集をご希望の方は
建設新聞を御覧ください。

建設新聞はこちら