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山梨県甲斐市

豪雨対策で公園を活用

2019/08/21 山梨建設新聞

 甲斐市は豪雨時に島上条地内の県道付近に雨水があふれるのを防ぐため、調整池の役目をする公園をフル活用する。既存の水路に改良を施し、周辺の雨水をできるだけ公園内に集め、流下を遅らせる。対策工事は年度内に実施する方針。その後の状況の変化を注視し、別の対策が必要かどうか検討する。

 市建設課によると、調整池の機能を持つ公園は、市敷島体育館(島上条2294)の隣接地にある「カルチャーパーク」。園路やトイレ、あずまやなどがあり、周囲が堤防のように高くなっている。豪雨時には園内に雨水がたまり調整池の役割を果たす。最大で2000立方mの水が貯められるが、設備が水没することや利用者の安全を考え、実際の貯留量には余裕を持たせている。

 市はこの機能をこれまで以上に活用することで、公園より低い地域に短時間に大量の雨水が流れるのを防ぐ考え。現状公園をよけ西側へ流れている雨水について、水をせき止めるなどして園内に流す。必要に応じ水路を継ぎ足す工事も行う。大掛かりな工事は不要なため市は応急的な対策として実施し、状況の変化を見る。

 島上条・中下条両地域は、南へ向かい下った地形のため、市北部に降った雨が集中する。豪雨時は県道甲府韮崎線付近に雨水が吹き出し、川のように流れることもある。市の担当者は「最近も、たびたび県道があふれているとの話を聞く。屋内への浸水まではないが、庭に入ってくることはあるようだ」と説明。昨年から太陽設計(同市)に委託し、現地調査を進めていた。市は今回の対策の効果を見極め、今後の対応を検討することにしている



【写真=調整池となるカルチャーパーク】

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