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栃木県日光市

獨協医療センター、199床、21年に着工、産業団地7.5ha日光市が基本構想説明

2019/08/27 日本工業経済新聞(栃木版)

 日光市は26日、獨協医科大学日光医療センター移転基本構想の概要を市議会全員協議会で説明した。新病院は病床数199床。検討中の配置計画案によると、移転先の日光産業団地(土沢、森友)の3区画のうちⅠ、Ⅲ区画約7・5haに施設を整備。Ⅰ区画に病院棟、駐車場、ヘリポート、Ⅲ区画に駐車場と職員寮を配置する。開設時期は未定。施工開始は21年中を予定している。

 市は今後、獨協学園と協議を進め、建設や運営に関する覚書を20年度までに、基本協定書を21年度までに締結。病院の開設時期や規模、事業費に対する助成方針などを定めていく。

 Ⅰ区画は団地北西側の敷地。病院棟の周囲に付属棟、駐輪場、ヘリポートを整備。西側に患者用駐車場を配置する。

 東側のⅢ区画は100室以上の職員寮を設置。駐車場はスタッフ用と患者用それぞれ460台分を確保する。配置計画は今後進める基本計画の検討状況などによって変更する可能性があるとしている。

 新病院のコンセプトは「安心・安全を届ける基幹病院」「すべての人にやさしい医療を提供」「質の高い医療を提供」。整備方針には県や市、地元医療機関などと共同歩調をとりながら、地域医療構想に則って将来にわたり日光地域の中核病院として機能することなどを掲げた。

 新病院はHCU(高度治療室)を新規に4床設けるほか、重傷病床を4床増床し10床を確保。診療科目は現在の科目に加えて必要なものを検討。小児科・産科も継続的に検討していく。

 新病院では地域の中核病院としての急性期医療、地域医療支援病院としての医療提供、地域災害拠点病院、県DMAT指定病院としての機能を継続。また、へき地医療、観光医療も継続。実習受け入れ教育機関機能を維持し、地域医療機関との連携も強化する。

 基本構想書は7月29日に獨協学園から提示された。市は今後、獨協学園が策定する日光医療センター移転基本計画の提出を受け、学園との合意が図られた時点で建設や運営などに関する覚書を締結。

 覚書には病院の開設時期や規模、機能、敷地の貸し付け方法などを盛り込む。覚書に基づく協議を進め、21年度には診療科目や敷地の貸し付け期間、事業費に対する助成方針などを定めた基本協定書を締結する予定。

 日光医療センターは藤原地区の高徳に立地。1号館は築33年、2号館は築52年が経過するなど施設が老朽化し、駐車場が不足。東武鬼怒川線沿線のため救急車両の通行に支障を来し、職員寮も部屋数が不足・老朽化している。

 獨協学園ではこれらの課題に対応するため日光産業団地への移転を決定。移転の効果として、市外に流出している患者の市内回帰、交通利便性が高い土地への移転による医療スタッフの育成・採用改善、災害に強い場所への移転による災害拠点病院としての機能強化、地域医療支援病院としての役割強化を挙げている。

 日光産業団地は国道119号や121号バイパスが近接。日光宇都宮道路土沢インターチェンジからは約2・5㎞に位置している。市はⅡ区画についての導入機能のあり方などを検討した土地利活用基本計画(仮称)の策定を予定。9月補正予算案に必要な業務委託料を計上する。

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