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栃木県塩谷町

塩谷町 庁舎基本計画検討委、4200平方m規模を提示、ZEB庁舎目指す

2019/09/20 日本工業経済新聞(栃木版)

 第3回塩谷町庁舎整備基本計画策定委員会(委員長・佐藤栄治宇都宮大学准教授)が18日、道の駅湧水の郷しおやで開かれ、執行部が約4200平方mとする新庁舎の想定面積を提示し、委員と意見交換した。機能の整備方針についても意見を交わし、高断熱化と省エネルギー設備を備えた町らしいZEB庁舎(ZEBReady基準)を目指す方針を示した。次回の委員会で機能の整備方針を踏まえ、庁舎の構造や階層を検討する。

 委員会では庁舎の規模のほか、機能面で環境負荷の軽減や景観・周辺環境などについて意見交換が行われた。

 基本構想の庁舎の規模は3000~4200平方m。今回、職員数118人を基に国土交通省と総務省の基準で規模を算定。防災拠点機能や町民利用スペースなども加え4165平方m程度と算定した。

 各諸室の想定面積は事務室950平方m、書庫・倉庫350平方m、会議室等450平方m、便所洗面200平方m、機械室等300平方m、議会関連450平方m、玄関・通路等1000平方m、防災拠点・町民利用機能等500平方m。規模については基本設計の段階で各諸室の必要面積や効率的な配置などを精査し、決定していく。

 町らしいZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)は、エネルギーの供給量が需要量を上回る完全型やゼロに近い「Nearly ZEB」の庁舎ではなく、主に外皮の高断熱化と高効率な省エネルギー設備の導入により1次エネルギー消費量を50%削減し、太陽光発電などでエネルギーを創出する「ZEB Ready」を検討。

 利用者の快適性を維持しながら庁舎のランニングコストを抑えるとともに、災害時の事業継続能力を確保する。庁舎建設準備室によると、初期費用は通常より10%程度増えるものの、環境省の補助金を活用して建設できるため増額分は約12年で回収が見込めるとした。

 景観や周辺環境の面では、庁舎内の展望デッキや現存の芝生広場、河川の活用を検討。敷地内の駐車台数は来庁者・職員用含め220台を見込んでいる。庁舎以外では付属棟を整備し、備蓄倉庫の配置を検討していく。

 委員会は区長会やPTA連絡協議会、商工関係者のほか公募委員3人、建築士、災害復旧技術専門家など20人で構成。意見交換では「規模の算定にあたっては非常勤職員数も考慮すべきでは」「環境面では町らしく木質バイオマスの検討を」などの意見が出された。

 委員会は今後、庁舎の構造や階層、意匠などの概略計画や配置ゾーンニング、概算事業費、事業スケジュールを検討。町は11月下旬に基本計画案を作成し、12月にパブリックコメントを実施。来年1月下旬に計画を決定する予定。

 今年1月に策定した基本構想によると、新庁舎の建設予定地は玉生中学校跡地。必要敷地面積は約1万平方m。事業手法は直営方式が望ましく、今年度に基本設計、20年度に実施設計、20年度後半から21年度に建設工事を実施。21年度末の庁舎完成を目指すスケジュールを掲げている。

 基本計画策定支援業務はAIS総合設計(宇都宮市)が担当。町は今年度当初予算に基本・実施設計策定業務の継続費8000万円(19~20年度)を計上している。

 建設予定地では防災広場を設け、近接する荒川河川敷公園と防災広場、運動公園との連携を検討。基本計画の検討は県が作成する上流のダム浸水想定図も踏まえた上で進める。

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