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松本砂防事務所工事安全対策協議会

松本砂防工事安全協にコンサルも参加

2019/09/27 長野建設新聞

松本砂防事務所工事安全対策協議会の総会と建設労働災害防止大会が25日、松本市勤労者福祉センターで開かれた。総会では、9月2日に発生した姫川流域地質調査業務における作業員の転落死亡事故を受け、これまで工事請負者に限っていた会員を現場作業が伴う業務委託を受注するコンサルタントにまで拡大することを決めた。砂防事業には現場条件の厳しい場所が多く、それは工事に限らず業務委託の現場作業でも同様。今回、業務委託を受注したコンサルタントが安全協議会に加わることで、工事受注者とともに安全活動に加わり定期的に活動。業務委託の現場作業においても安全意識の向上を図り、災害の発生を防ぐ取組体制を強化する。総会後に開かれた大会には、早速、会員になったコンサルも含めおよそ90人が参加、安全に対する講話を聴いたり、管内の事故発生状況や再発防止策を確認。参加者全員で事故を起こさない決意を新たにした。

最初に行われた総会では、昨年度の活動報告が行われた後、本年度活動方針案を承認するとともに、規約の改正について報告。また本年度の新役員には、新たな副会長に糸魚川市にある谷村建設の渡邊孝社長が就任した。渡邊副会長はあいさつで「安全第一で誠心誠意努めたい」と決意を示した。規約の改正は、9月2日に発生した事故を受けての対応。主な箇所は、第2条の目的で、対象をこれまでの工事に限っていたものに「現場作業が伴う業務委託を含む」を追加。会員はこれまでの「工事発注担当課長及び主任監督員並びに工事受注者」という箇所を「工務課長、調査課長及び主任監督員並びに受注者」とした。対象となる業務委託の範囲について同事務所は「測量やボーリングなど現場作業を伴う業務委託で、多くの業務委託が対象となる。対象とならないのは既存の資料整理など現場作業を伴わないもの」と本紙の取材に回答した。今回の改正により、25日現在で業務委託を受注している18者のコンサルが会員となった。

建設労働災害防止大会の冒頭のあいさつで協議会長の石田孝司松本砂防事務所長は「今年度に入り当事務所から発注となった工事・業務において5件の事故が発生した。そのうち1件は作業員の方が死亡に至る大変痛ましい事故となった。事務所として大変重く受け止めている。これらの事故を私なりに分析した結果、これらの事故から得られた教訓は『急がば回れ』ということに尽きる。やるべきことを手順を踏んで丁寧に進めていくこと。本日の安全大会を機会に今一度皆さまの各現場を振り返り、安全意識を高めて工事リスクを低減し、事故防止につなげてほしい。安全に対しできることはすべてやるスタンスで取り組んでほしい」と強く求めた。

続いて建設工事における労働災害防止について講話を行った松本労働基準監督署安全衛生課の佐藤幸男課長は「会社の安全レベルで考えると、今までだったらありえない会社での事故が結構起きている。(人手不足等により)現場が無理をしているのではないか。これから行う説明で最近発生している工事における災害傾向がつかめると思うので、持ち帰って各現場で活かしてほしい」と期待した。その後、鷲澤建設の宮沢政昭さんが安全対策の取り組みを報告。相模組の高橋翔太さんがスローガンを確認した後、サワンド建設の内川豊さんが工事安全を宣言し採択した。

松本砂防安全協議会

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