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山梨県富士川町

PFIで大法師公園再整備へ 富士川町

2019/11/08 山梨建設新聞

 富士川町は大法師公園の再整備を計画している。民間の資金や運営ノウハウを活用するPFIの手法を使い、町の財政負担を抑えながら公園とその周辺のにぎわいを創出する。2020年1月中旬に事業計画のプレゼンテーションを行い、年度内に事業者と基本協定を締結する予定。1年程度で必要な整備を行い21年3月ごろの供用開始を目指す。

 町都市整備課によると、民間の資金を活用して都市公園の整備・管理を行う「P-PFI」事業として実施する。民間事業者が使用料を支払い園内の施設や敷地で商業サービスを提供。そのサービスで得た利益の一部で公園全体の管理・運営を行う。整備や運営に掛かる経費は基本的にすべて民間事業者が負担。町は施設の使用料収入を得るとともに年1000万円弱掛かっていた維持費の縮減を図る。

 事業期間は設計・工事の期間を含め、最初の契約で10年間、その後の更新で10年間の最長20年間。敷地面積は6・4haで園内には約2000本の桜のほかテニスコート2面(2340㎡)、ソフトボール場(4900㎡)、弓道場(1030㎡)、駐車場2カ所(計870㎡)、遊具がある広場(715㎡)、休憩施設、管理施設などがある。これらの既存施設を活用するかどうかは事業者提案による。

 使用料の最低額は1㎡あたり年240円。ただ公園全体に対して発生する訳では無く、例えば物販を行う場所など事業者のサービス提供に必要な分だけ使用料を支払う仕組みという。

 事業者には公園の利用者増に向けた施設の改修やイベントなどに関する提案をしてもらう。町都市整備課は「細かい条件は付けず、まずは事業者の提案を聞いてみたい」とし、桜の時期のイベント開催は必須とする以外は自由度を重視した公募内容にした。

 公募に関する支援業務はエイト日本技術開発(東京都中野区)が担当。町は12月18~20日に計画書類の受け付けを行い、年明け1月中旬にプレゼンテーションを実施、3月中に事業者と基本協定を締結する見通し。6月ごろから事業者による整備を始め、提案内容にもよるが、21年3月ごろの供用開始を目指す。

 同公園は鰍沢地内の山の上にある。県道42号(旧国道52号)から車で5分ほどの場所で「日本のさくら名所100選」に選ばれている。開花の時期にはイベントも開かれ多くの来場者があるが、それ以外の時期は人が少なく、年間を通してのにぎわいづくりが課題となっている。




【写真=小高い山の上にある大法師公園】

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