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県、自転車活用推進計画策定へ、骨子案提示、来年3月に決定、サイクリングルート整備を検討

2019/11/28 日本工業経済新聞(栃木版)

 県は自転車活用推進計画を策定する。計画期間は2020~25年度を予定。計画骨子案によると、自転車先進県をさらに発展させることを目指して4つ基本目標を設定。誰もが安全で快適に通行できる道づくりの推進など12施策を掲げ、サイクリングルートや自転車通行空間の整備・ネットワーク化、駐輪場整備などを検討し、計画に位置付けていく。来年3月に決定する予定。

 本県の自転車による通勤通学の交通手段分担率は約10%と全国の13・5%と比べて低く、自動車の温室効果ガス排出量が全体の約21%を占めるといった課題への対応に加え、著名な自転車ロードレースが開かれ、平地と山地のバランスが良く変化に富んだサイクリングルートの設定ができる特長などを反映させる。

 基本目標は「自転車を利用しやすい快適なとちぎ」「自転車で楽しく健康なとちぎ」「サイクルツーリズムで成長するとちぎ」「自転車を安全に利用できる安心なとちぎ」。

 施策は地域の実情や国の自転車活用推進計画も踏まえて設定。誰もが安全で快適に通行できる道づくり、駐輪場の整備のほか、シェアできる自転車の導入、サイクルスポーツ、自転車を活用した健康長寿づくりの促進、サイクルツーリズム、まちづくりと連携した総合的な取り組みの推進、災害時の自転車活用などを掲げた。

 具体的な取り組みは自転車通行空間の整備のほか、レンタサイクルの導入、公園の活用、サイクリングルートの整備、速度を規制するゾーン30の導入、交通安全教育などを想定している。

 県内で整備された自転車通行空間の延長は約126㎞。形態別では自転車専用通行帯が97㎞と多く、車道混在型が28㎞、縁石や植樹などで車道と歩道から独立した自転車道が1㎞。河川堤防などを利用した大規模自転車道として鬼怒川自転車道(二宮宇都宮自転車道線、約25㎞)、黒川思川自転車道(渡良瀬遊水地壬生自転車道線、約8㎞)、渡良瀬川自転車道(桐生足利藤岡自転車道線、約21㎞)の3路線が県道に認定され整備されている。今後はこれら自転車通行空間のネットワーク化や計画的な整備が必要とした。

 27日に学識経験者や鉄道事業者、交通事業者、宇都宮市、那須町などの委員で構成する策定委員会(委員長・大森宣暁宇都宮大学教授)に骨子案を提示。意見を交換した。

 委員からは「安全や大きな大会の誘致には道路整備が欠かせない」「モデルルートを設定してほしい」「走りたくなる道路づくりが必要」「レンタサイクルへのICT導入の検討」といった意見が述べられた。

 県は委員の意見を踏まえ計画案を策定。成果指標も検討していく。来年1月にパブリックコメントを実施し、2月の第3回策定委員会で計画案を提示。3月に計画を決定する予定。

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