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事業者(研)日本原子力研究開発機構
見出し配管補強や地盤改良/東海再処理施設の解体撤去の安全対策  
掲載 2019年12月24日日本工業経済新聞(茨城版)  
本文

 日本原子力研究開発機構は、廃止措置(解体撤去)を進めている核燃料サイクル工学研究所の東海再処理施設(東海村村松)について、安全対策の実施内容を追加した変更認可申請を原子力規制委員会に行った。安全対策工事は、高放射性廃液を取り扱っていた高放射性廃液貯蔵場(HAW)とガラス固化技術開発施設(TVF)について、想定重大事故とした貯槽の蒸発乾固を防止するために実施する。具体的には、地震対策ではTVFの一部の冷却水配管の耐震補強やトレンチ周辺地盤の改良などを、竜巻対策では施設の窓や扉のステンレス鋼板による閉止措置、火災対策では給電ケーブルへの耐火バリア設置、溢水対策では配管の耐震補強、被水防止板の設置などを行う。

 東海再処理施設の廃止措置(解体)は、我が国初の大型核燃料施設の廃止計画として2018年6月に認可された。再処理施設の除染・解体などを行う。事業費は廃止費用約7700億円に当面10年間の費用の約2180億円などを合わせると約1兆円。廃止措置期間は、汚染区域(管理区域)を有する約30施設全ての廃止措置が完了する期間として約70年間を想定している。
 その後、再処理施設の性能に係る技術基準に関する規則を踏まえ、安全対策の実施内容をまとめて廃止措置計画を変更し、変更認可を申請した。
 変更認可申請によると、廃止措置を行う段階において、内臓する放射能力を踏まえた被ばく影響評価の結果から、安全上重要な施設としてHAWとTVF、それらの関連施設を選定。これらの施設で安全対策工事を実施する。
 主な安全対策工事は、地震対策として①TVFの一部の冷却配管の耐震補強②高放射性廃液の移送配管を内蔵するトレンチの耐震補強(周辺地盤の改良)③主排気筒や第二付属排気筒の耐震補強―。
 竜巻対策(飛来物対策)としてはHAWやTVFの窓や扉などの建家開口部の閉止措置(ステンレス鋼板の設置)を実施する。
 火山対策では制御室の居住性確保としてTVFへの外気取り込み、循環換気用可搬型ブロワ、換気ラインおよびフィルタの配備。火災対策ではTVFの安全系の給電ケーブルへの耐火バリアの設置。溢水対策としてはTVFの配管の耐震補強をはじめ、被水防止板の設置、蒸気の漏えいを防止する遮断弁やカバーなどの設置を行う。
 一方、廃止措置の過程で想定される重大事故として、HAWとTVFの貯槽における蒸発乾固を選定した。重大事故で安全機能が喪失した場合は、発生防止策としてエンジン付ポンプから水を貯槽の冷却コイルへ供給し、沸騰を防止する。拡大防止策ではエンジン付ポンプから貯槽へ直接水を供給し、蒸発乾固を防止する。影響緩和策としては放射性の気体をフィルタなどにより浄化して放出する。
 原子力機構がまとめた廃止措置の基本方針によると、廃止措置は保有する放射性廃棄物のリスクの早期低減を当面の最優先課題とし、施設の高経年化対策と安全性向上対策を行う。
 具体的には、最優先事項として高放射性廃液貯蔵場の安全確保、高放射性廃液のガラス固化技術開発施設のガラス固化、高放射性固体廃棄物貯蔵庫の貯蔵状態の改善、低放射性廃棄物処理技術開発施設の低放射性廃液のセメント固化を進める。
 先行して除染・解体に着手する施設(分離精製工場、ウラン脱硝施設、プルトニウム転換技術開発施設、クリプトン回収技術開発施設)については、工程洗浄、系統除染等を行い、分散している核燃料物質を集約してリスクを低減する。貯蔵している使用済燃料や核燃料物質は、搬出先が確保できたものから施設外に搬出する。
 一方で、今後も継続して放射性廃棄物を取り扱う施設では、初期の目的を完了した施設から順に除染・解体に着手する。そのため、高線量系の施設から段階的に除染・解体に着手し、順次低線量系の施設の廃止を進め、処分場の操業開始後に搬出する。
 今後、再処理施設から発生する放射性廃棄物を廃棄体化する高線量廃棄物廃棄体化処理技術開発施設と東海固体廃棄物廃棄体化施設を必要な時期に建設し、処理を行う。
 再処理施設は1971年(昭和46年)に着工し、2007年5月までに使用済燃料約1140tを再処理した。施設は06年9月に運転を停止し、耐震性向上工事を実施した。

【図=安全対策】

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