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林道は開設2、拡張3路線/水戸那珂国有林20~29年度の森林計画

2020/01/15 日本工業経済新聞(茨城版)

 林野庁関東森林管理局は、本県の水戸那珂森林計画をまとめた。計画区の国有林についての森林の整備および保全目標に関する計画で、計画期間は2020年度から29年度までの10年間。計画のうち林道などの整備は、開設は2路線(総L3000m)、拡張を3路線(総L345m)。開設は笠間市の団子石支線(L1800m)、城里町の影沼線(L1200m)。拡張は下赤沢線(笠間市、城里町、L60m)などを盛り込み、3路線とも計画期間の前半5年間(20~24年度)に整備する。

 水戸那珂森林計画区は水戸市、笠間市、城里町、東海村の5554haの国有林が対象。

 計画では、森林の整備および保全の目標として①水源涵養機能②山地災害防止機能/土壌保全機能③快適環境形成機能④木材等生産機能―などを提示。

 林道の開設および改良では、森林の利用形態や地形、地質、傾斜などの自然条件などに応じ、丈夫で簡易な規格・構造を柔軟に選択するとともに、自然条件や社会的条件が良く、将来にわたり育成単層林として維持する森林を主体に整備を加速化させるなど、森林施業の優先順位に応じた整備を計画的に推進する。

 効率的な森林施業を推進するための路網の整備については、高性能林業機械を組み合わせた低コストで効率的な作業システムの導入を促進する。また効率的な森林施業に資するため、林道や林業専用道、森林作業道が有機的に連結するよう計画し、整備を行う。

 森林の土地の保全では、土地の形質の変更は極力行わないが、土石の切り取り、盛土などにより変更を行う場合は林地の保全に十分に留意する。また法勾配の安定を図り、法面保護のための緑化工、土留工などの設置を行う。

 保安林の整備においては、水源の涵養、災害の防備などを達成するため、既指定保安林の整備を推進するとともに、保安林指定を計画的に進める。

 治山事業については、事前防災・減災の考え方に立ち、緊急かつ計画な実施を必要とする荒廃地などを対象に、渓間工、山腹工など治山施設の整備、保安林機能を維持増進するための本数調整伐などの保安林整備を計画的に推進する。

 流木対策としては、流木捕捉式治山ダムの設置や根系の発達を促す間伐などの森林整備、流木化して下流域へ被害を及ぼす可能性が高い流路部の立木の伐採などに取り組む。

 そのほか森林病害虫等などの被害対策では、被害要望の観点から薬剤の予防散布を行うほか、被害跡地の復旧および抵抗性を有するマツまたは他の樹種への計画的な転換を推進する。ナラ枯れ被害は国有林では見られないものの、被害が確認された場合は民有林と連携した防除対策を講じる。

 鳥獣害対策としては、計画区の国有林では顕著な被害は見られないが、森林被害の未然防止、早期発見による適切な対応差鵜を講ずる観点から森林の巡視を強化する。被害が発生した場合は関係機関と連携し、捕獲および防護柵設置などの植栽木の保護措置による防止対策を推進する。

 これらに基づいた計画量は、材積は総数32万1000立方m、主伐が1万9000立方m、間伐が13万1000立方m。間伐面積は1234ha(うち前半5年分は510ha)、人工造林は391ha(うち前半5年分は177ha)、天然更新は無い。

    ◇

 水戸那珂森林計画区の森林計画案(20~29年度)における林道の開設・拡張計画、治山事業計画は次のとおり(カッコ内は前半5年間分)。

 【林道開設】

 ◆団子石支線(笠間市)=L1800m

 ◆影沼線(城里町)=L1200m

 【林道拡張】

 ◆下赤沢線(笠間市、城里町)=L60m(L60m)

 ◆影沼線(城里町)=L45m(L45m)

 ◆御前山線(城里町)=L240m(L240m)

 【治山事業】

 ◆笠間市7林班(232、235、236、237、245、246、248)=本数調整伐(7林班)

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