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山梨県中央市

防災公園整備急ぐ 中央市

2020/01/22 山梨建設新聞

 中央市は市役所本庁舎北側に計画する防災公園の整備を急ぐ。公園へのアクセス道路の整備に着手したほか、近く本体工事も本格化させる。昨年末に第1工区が発注され、年度内にあと3つほどの本体工事を発注する方向で調整する。ただ着工の遅れに加えまだ一部用地が未取得のため、予定していた2020年度末完成が厳しくなってきた。園内に建設する市民体育館の供用も遅れる可能性がある。

 現場では現在、中楯建設(同市)により公園周りの道路(市道4098号線)の改良が行われている。昨年9月に発注され、年度内を工期に工事が進む。公園本体の段取りに時間が掛かったため周辺道路の整備が先行する形になった。

 本体について市は6つの工区で整備する工事発注計画を公表した。敷地の東側を第1~3工区、西側を第4~6工区に設定。東側は国の補助金、西側はJRからの補償金と市の予算で整備する計画だ。昨年末には第1工区が発注され、中部(同市)が落札。近く2万3900立方mの盛土工などが本格化する。工期は9月末までとした。

 市は続く第2工区について今月30日の入札を予定しており、落札されれば2月3日には業者と契約を結ぶ。さらに第3、4工区についても続けて発注する方向で調整しており、年度内の契約を目指す。ただ南東側の用地一筆がまだ未取得であることなど、計画にまだ不確定な要素があるため、工区分けや指定する場所などを今後見直す可能性があるという。

 未取得の用地にはリニア新幹線に伴い移転する市民体育館を建設する予定。今のところ20年度着工、完成を予定しているが、その計画にも遅れが出る可能性が大きい。市は体育館建設への影響も考え用地の早期取得を目指すが「交渉は相手があること。いつ取得できるとは言えない。事業計画の延長を申請することも検討している」(市関係者)とした。

 市はこの防災公園について、19、20年度の2カ年での整備を計画。本年度当初予算には工事費などとして約8億5000万円を計上した。だが着工が遅れる見通しになったため、補正予算で一部予算を20年度に繰り越している。

 公園の面積は5・1ha。園内にはフットサルコートやサッカー場などを整備。テントにもなる、あずまやや、非常用コンセント付きの照明など防災設備を備える。敷地の半分以上を天然芝にする。園内にはリニア新幹線の高架橋が走る。



【写真=公園周辺道路の整備が進む】

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