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栃木県那須町

那須町 公共施設再編計画案、図書館と文化センター統合検討

2020/01/28 日本工業経済新聞(栃木版)

 那須町は、公共施設再編計画案をまとめた。計画期間は2055年度まで。町立図書館と文化センターの統合、各町営住宅や農村婦人の家の移転、那須高原保育園の譲渡・貸し付け、大同保育園の解体など各施設の再編方向を定め、施設総量の約26%縮減(床面積4万423平方m)を見込んだ。継続する施設については長寿命化を図るなど長く活用するための個別施設計画を新年度に策定する予定。

 公共施設再編計画は今後40年間で延べ床面積約30%縮減を目標にした公共施設等総合管理計画に基づくもの。管理計画のインフラは再編の対象外。全体を1期(16~30年度)、2期(31~42年度)、3期(43~55年度)に分けて推進する。

 縮減面積4万423平方mの主な内訳は小学校2万108平方m、保育所2223平方m、町営住宅1782平方m、コミュニティセンター1190平方m、キャンプ場等969平方m、普通財産1万1412平方mなど。第1期までに3万5685平方mを縮減する方針とした。

 再編の方向性のうち移転(建て替え)は高久団地、黒田団地、前原団地、芦野団地、定住促進住宅あたごハイツ、芦野地区の遊行庵。農村婦人の家は中学校跡地への移転を検討する。移転(統合)は上の原第3団地、黒田原駅前自転車置場。

 譲渡・貸し付けはグリーンハイツ田中リビナスA~E棟、那須高原地区構造改善センター、旧那須小学校、湯本園地公衆トイレ、旧室野井小学校、旧大沢小学校、旧大谷保育園、田中地区農村公園、逃室農村公園、旧老人陶芸センター、寄居集落センター、富岡集落センター、稲沢地区集落センター、美野沢体育センター、稲沢体育センター、旧美野沢小学校。

 旧芦野小学校、旧那須小学校は建物の利活用を目指し、譲渡や貸し付けを検討。椿の館は旧伊王野小コミュニティ施設整備と一体で協議し、建物の利活用を含めて地区への譲渡を検討する。

 解体は町野外研修センター、旧那須小放課後児童クラブ、鉱山跡公衆トイレ、一軒茶屋公衆トイレ、高原公衆トイレ、黒田原小学校教員住宅。旧芦野保育園、旧芦野診療所、憩いの森休憩舎、旧伊王野小学校、旧伊王野小職員住宅「清泉寮」。

 那須高原保育園は21年4月から民営化する事業者に譲渡。大同保育園は高久保育園と統廃合した園舎を新設し22年4月から民営化。大同、高久保育園とも解体。千振保育園は黒田原第2保育園と統合し、解体する予定。

 道の駅「那須高原友愛の森」ではふれあいの郷直売所などを新館に統合。バイオディーゼル製造装置収納庫は収納庫のみを道の駅再整備の中で建て替える。

 公民館と一体の湯本支所、芦野支所、伊王野支所は耐用年数まで使用。3施設とも耐震診断が必要とした。

 町立図書館は老朽化に加え、エレベーターの設置やバリアフリー化が困難な構造のため文化センターと統合を検討する。

 方向性に沿って全施設を再編した場合、40年間の縮減効果は更新費が182億円、運営費と維持管理費用が215億円で合計397億円を見込んだ。

 継続して維持する施設や多用途に活用する施設は可能な限り長寿命化改修を実施。土地や建物は売却や貸し付けだけでなく、PFIや指定管理者制度など民間の資金やノウハウを用いるPPP導入を検討。建て替えや改修などにあたっては民間収益事業の成立性を考慮し、マーケットサウンディングを実施するなど収益性のある事業展開を検討していく。

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