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【土地基本法等改正】土地政策再構築と地籍調査迅速化へ

2020/02/05 本社配信

 政府は4日、通常国会へ提出予定の土地基本法および国土調査法等の一部改正案を閣議決定した。喫緊の課題である所有者不明土地問題に対応し、適正な土地の利用・管理を確保する施策の総合的な推進を図るとともに、その前提となる地籍調査の円滑化・迅速化を一体的に措置するための必要な改正を行う。

 土地基本法の見直しは1989年の制定以来となり、人口減少社会に対応し、基本理念など法全般で土地の適正な利用と管理の確保の必要性を明示する。特に土地に関する計画制度に「管理」の観点を追加することで、周辺に悪影響を与えないように「管理」をすることの重要性を明確にする。

 また登記等権利関係や境界の明確化など、土地所有者等の土地の適正な利用と管理に関する責務を明らかにし、国や地方自治体が講ずべき施策を見直すとともに、土地政策全般の政府方針として土地基本方針を創設する。

 地籍調査に関しては、優先実施地域での進捗率が約78%(対象地域全体では約52%)であるため、必要な措置を講じて調査をスピードアップさせる。

 国土調査法等を改正し、2020年度からの新たな国土調査事業十箇年計画を策定するほか、▽所有者探索のための固定資産課税台帳等の利用可能措置の導入▽調査のために必要な所有者等への報告徴収権限の付与▽所有者不明の場合に筆界案の公告により調査を可能とする制度の創設(省令改正)▽地方自治体が不動産登記法上の筆界特定を申請できる措置の導入―を行う。

 さらに、地域特性に応じた効率的調査手法も導入。都市部では道路と民地との境界(官民境界)を先行的に調査し、認証を得て公表する。山村部では航空写真等のリモートセンシングデータを活用した調査手法の導入のため、現地立ち合いルールを見直す。新たな手法の導入等により、地籍調査の優先実施地域での進捗率の目標を約9割とする考えだ。

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