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千葉県県土整備部

最優秀にさわら町屋館など/県建築文化賞/受賞作品9点を23日表彰

2020/03/19 日刊建設タイムズ

 県県土整備部は18日、「第26回千葉県建築文化賞」の受賞者を発表した。応募作品67点の中から、最優秀賞2点、優秀賞3点、入賞4点の合計9点の作品が選ばれた。最優秀賞は、一般建築物の部で「さわら町屋館(上川岸小公園)」(香取市)、住宅の部で「椿庵」(千葉市)が選定された。表彰式は今月23日午後2時から県庁本庁舎5階大会議室で開かれ、建築主、設計者、施工者に賞状が授与される。

 最優秀賞に選定された「さわら町屋館」は、重要伝統的建造物群保存地区の一角、小野川沿いに建つ無料休憩所を中心に、文化活動の場としても利用される蔵、朝市などに使われるあずまやが、中庭を介して配されている。建物は伝統的町屋を再現しつつ、町屋の構造補強を念頭に置いた工法を試みるなど、町並みの連続性とその保存継承にも資する意欲的取り組みが高く評価された。

 また「椿庵」は、旗竿敷地に建つ茶屋付き住宅。延べ面積88㎡の小住宅だが、2階のサンルームの格子床を通した光が1階に降り注ぎ、明るくゆったりした空間を作り出している。厳しい条件のもとで、施主の憩いとデザインが共鳴した作品となっている。

 同賞は、優れた建築物を表彰することにより、うるおいとやすらぎに満ちた快適な街づくりを推進することを目的とし、1994年度に創設された。本年度までの応募総数は2095点で、215点(奨励賞60点を含む)の作品が受賞している。

 今回は「一般建築物」と「住宅」の2部門で、昨年7月1日から9月30日までの期間に募集を行った結果、一般建築物の部37点、住宅の部30点の合計67点の応募があった。これらの応募作品について、千葉県建築文化賞検討会議(委員長・北原理雄千葉大学名誉教授)にて審議を行い、表彰作品を決定した。

 受賞作品の概要は次の通り。〔①建築主②設計者③施工者④部門⑤規模〕

【最優秀賞】

 ▽さわら町屋館(上川岸小公園)(香取市佐原イ499―1)=①香取市②TAKUMA建築設計事務所③伊藤工務店④一般建築物⑤木造2階建て延べ320・34㎡

 ▽椿庵(千葉市中央区)=①T氏②一級建築士事務所iKmo③中野工務店④住宅⑤木造2階建て延べ88・78㎡

【優秀賞】

 ▽犬吠テラステラス(銚子市犬吠埼9575―2)=①大勝②篠崎弘之建築設計事務所③三幸④一般建築物⑤S、RC造2階建て延べ4303・94㎡

 ▽宮下どろんこ保育園 つむぎ×TSUMUGICAFE+子育て支援センターちきんえっぐ(君津市宮下2―25―1)=①社会福祉法人どろんこ会②ユニップデザイン③新昭和④一般建築物⑤木造平屋建て延べ946・36㎡

 ▽山武 野口邸(山武市森273)=①野口寛尚②住友林業ホームテック③前同④住宅⑤木造2階建て延べ268・61㎡

【入賞】

 ▽ニッケコルトンプラザ ツムグテラス(市川市鬼高1―1―1)=①日本毛織②竹中工務店③前同④一般建築物⑤S造2階建て延べ3736・22㎡

 ▽mоtо.8(もとっぱち)(市川市八幡3―7―17)=①パールユニティ②みかんぐみ③西武建工④一般建築物⑤木造2階建て延べ492・72㎡

 ▽Оne Tаble(松戸市常盤平陣屋前1―13)=①大畠稜司建築設計事務所②前同③前同④一般建築物⑤木造2階建て延べ39・60㎡

 ▽「地域とつながる小さな街並み」(松戸市南花島)=①山口輝夫②杉坂建築事務所③前同④一般建築物⑤古民家・蔵木造平屋建て延べ150・50㎡、住まい木造2階建て延べ93・56㎡

さわら町屋館(上川岸小公園) 椿庵

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