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栃木県宇都宮市

宇都宮市 第3期中心市街地活性化基本計画、173ha、市街地再開発を促進

2020/03/27 日本工業経済新聞(栃木版)

 宇都宮市は、2020年度から2024年度までの5年間を計画期間とする第3期中心市街地活性化基本計画を策定した。5年間で重点的に取り組む区域をJR宇都宮駅周辺から駅西側の二荒山神社周辺、本町・泉町周辺、オリオン通り・ユニオン通り・日野町通り周辺、東武宇都宮駅周辺を含む約173haに設定。活性化に向け、LRTの駅西側を見据えたまちづくり推進事業、宇都宮駅西口周辺地区の整備、二荒山神社周辺の市街地再開発事業など63事業を推進する。

 重点計画区域は上位計画の都心部グランドデザイン(計画期間2002~30年度頃)で位置付けた都市拠点範囲約320ha内に設定。また、新たに第2次観光振興プランでリーディングプロジェクトとして位置付けられた餃子通り周辺と日本遺産に認定された大谷石文化の構成文化財の松が峰教会周辺をエリアに追加した。

 計画の特徴はLRTの導入等を見据えた2つの活性化戦略の設定と様々なまちづくりの取り組みを促進する仕組みの強化など。

 一つ目の活性化戦略は、LRTの開業と宇都宮駅東口地区のまちびらきによる集客効果を波及させる戦略プロジェクト。本町・泉町周辺を対象とする夜の街なか回遊促進事業や民間団体、住民等が主体となったエリアマネジメント促進事業、交通ICカードの導入などを主な戦略事業に展開する。

 二つ目は、駅西側への将来的なLRT導入を見据えたまちづくりプロジェクト。主な戦略事業に西側導入を見据えたまちづくり推進事業やバス路線の充実、駐車場の適正配置の推進、二荒山神社周辺の市街地再開発事業の促進を盛り込んだ。

 また、LRT導入を見据えウォーカブルなまちづくりを推進。歩行者中心の道路空間創出等による歩行空間づくりや公共空間でのイベント・オープンカフェ実施などによる賑わいの創出、空き店舗・空き地・コインパーキングなどの低未利用地の利活用促進、餃子通りの来街者周遊促進を補助する魅力創出-の活性化事業を計画に計上。「居心地が良く、誰もが行ってみたくなる、歩いてみたくなるまちなか」の実現を図る。

 まちづくりの取り組みを促進するための仕組み強化では、計画に掲げる将来像「うごく つながる 心躍る みんなで創る 宮の街なか」の実現に向け各施策・事業に取り組む主体間の新たな連携のマッチングや更なる連携を深め、まちの魅力や価値の向上、新たな担い手の発掘・育成などまちづくりの好循環を促す。

 活性化に向けては①様々な活動を活発化させる基盤づくり②都市拠点にふさわしい個性や価値の向上③恒常的な賑わいを創出する環境づくり④安心で快適な住環境の創出-の4施策と施策を推進するため様々な取り組みを促進する仕組みを強化する。

 市は中心市街地の形成に向け15年3月に策定した第2期市中心市街地活性化基本計画に基づき各種活性化事業を進めてきた。事業の取り組みで空き店舗数は減少し、週末の夜間を中心に通行量が増加するなど賑わいや活気が出てきている。しかし、平日の昼間は伸び悩んでおり、事業所数も減少傾向。これらの現状と駅西側の将来的なLRT導入を踏まえ、活力と魅力ある中心市街地の形成を図る。

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