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山梨県甲州市

甲州市が工事成績評定導入 優良工事表彰も新設

2020/04/10 山梨建設新聞

 甲州市は本年度から工事成績評定を実施する。品確法に基づき創設するもので、成果品の出来栄えや工程管理、安全対策などを評価することで工事品質の確保につなげる。評価の高い工事の施工者を表彰する制度も設ける。著しい手抜きや粗雑工事の施工者には入札における指名を控えるなどのペナルティを課す。

 市管財課によると、これまでは工事過程や完成品の検査のみ行っていた。今後は「甲州市成績評定要領」に基づき、工事ごとに詳細な評価を行い点数を付ける。対象とするのは税込み250万円以上の工事。

 評定に当たっては山梨県建設技術センターが提供する「市町村工事成績評定支援システム」を活用する。県内では県や南アルプス市、忍野村も同じシステムを使用。南アルプス市の工事検査の担当者は「以前はエクセルで作った(市独自の)表で評価していた。システムを使うことで県に準じた形で評価ができる。項目ごとに入力すれば自動で点数が計算される。業務が効率化され、年度末など工事検査が集中するときには非常に役立つ」と話した。

 評価項目は配置技術者などを評価する「施工体制」、施工管理や安全対策などの「施工状況」、「出来形及び出来栄え」、施工条件などへの対応を見る「工事特性」、「創意工夫」、地域貢献といった「社会性など」。これらの項目により加減点が決まり、それに基準点の65点を合わせた点数が評定点となる。

 工事評定実施に当たり優良工事の表彰制度も新設する。前年度の工事を対象に評価の高い工事の施工者を表彰。本年度の工事を対象とした表彰を来年度に行う予定という。

 不良・不適格業者の排除にも活用する。評価点が低く、手抜き・粗雑工事と判断された施工者には指名を控えるなどのペナルティーを課し、市の公共工事から排除する。表彰基準やペナルティーとなる基準については今後庁内で詰める。

 この工事成績評定は公共工事の品質向上が狙い。成績が良い工事については表彰し、施工者の工事に取り組む意識・意欲の向上を図る。粗雑工事についても明確にすることで、一定レベル以上の品質確保につなげる。

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