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工事契約件数は7.8%増/応札なしが大幅増/19年度入札実施状況

2020/04/29 長野建設新聞

 県建設部技術管理室は2月末現在における2019年度受注希望型競争入札の実施状況を明らかにした。契約件数は建設工事が1713件で前年同期比7.8%増(124件増)、委託業務が1574件で2.9%減(47件減)。工事、委託とも応札なしによる「不調」が大幅に増加しており、工事は前年同期の約2倍に当たる172件、委託は約5倍の51件発生している。発生率は工事が8.9%、委託が3.1%。

 実施状況は20日開かれた本年度初の県議会危機管理委員会で示された。集計対象は環境、農政、林務、建設部と企業局の発注案件(森林整備は除く)で、各月の数字は開札日基準。

 工事の平均落札率は94.3%で、前年度1年間の平均93.1%に比べ1.2ポイント上昇している。これは8月の公告案件から失格基準価格の設定範囲を2%引き上げ「予定価格の89.5~94.5%(変動制)」とした影響。9月以降は各月95%前後で推移している。平均参加者数は5.4者で、前年度1年間の平均7.5者から2.1者減少。防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策による事業量の増加や台風19号災害の対応が要因とみられる。

 10広域別の動向を見ると、平均落札率が最も高いのは木曽で98.3%。以下、北アルプス95.4%、松本94.9%と続く。最も低いのは諏訪と北信の93.2%。平均参加者数が最も多いのは佐久で9.4者。以下、北信6.6者、長野6者の順。最少は木曽の2.4者。

 当該工事場所の広域管内、いわゆる地元企業が受注した割合は件数ベースで91.2%、金額ベースで76.2%。金額ベースで見ると、最も高い佐久が93.5%である一方、北信は豊田中野線・笠倉壁田橋上部工の大型工事により52.4%、北アルプスは国道148号・小谷村雨中バイパス関連の大型工事により67%にとどまっている。

 総合評価落札方式の実施件数は技術等提案型(Ⅱ型を含む)7件、工事成績等簡易型622件、工事成績等簡易Ⅱ型(舗装工事)63件、地域貢献等簡易型25件の計717件。


■委託の平均参加者は3.7者減

 一方、委託の平均落札率は90.0%で、前年度1年間の平均89.8%に比べ0.2ポイント上昇している。平均参加者数は11.8者で、前年度1年間の平均15.5者から3.7者減少。前年度に最も少なかった月は10月の13.3者で、1桁台となった月はなかったが、本年度は9~12月まで4カ月連続して1桁で推移。とりわけ10月以降の3カ月は7者台だった。

 総合評価の実施件数は技術者実績等簡易型537件、技術者実績等簡易Ⅱ型297件の計834件。

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