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(社)群馬県建設業協会

県建設業協会がコロナウイルスによる影響示す

2020/05/16 群馬建設新聞

群馬県建設業協会(青柳剛会長)は15日、新型コロナウイルスによる建設業への影響として、建築・土木ともに完成の遅れなどがあった企業が3月と比較して増加したことを明らかにした。特に民間工事は、建築工事で中止や延期があったと答える企業が32・2%と前回比で20ポイント近く上昇。土木も4%から10・5%に増え、影響は拡大している。売上高予想でも60・3%が減少影響があると返答、先行きに対する不安感が示された。

会見は初めてWebで開催。青柳会長は「緊急事態宣言は解除となったが、本格的に感染症対策と経済活動を持続的に進めていくための方策を展開していかなければいけない」と話し「他産業と比較して影響にタイムラグがあるのが建設業の特徴。引き続き調査を行い情報を発信していく」との方針を示した。

調査は会員企業のうち約9割にあたる247社が回答。過去3回のアンケートで最も高い回答率となった。青柳会長は「現状の厳しさや危機感が表れてきている」と、影響が拡大していることを示した。

影響があるとしたのは建築59・4%、土木29・1%の企業。内容は、受注した工事の完成遅れとの回答が建築・土木ともに最も多い。建築では民間工事で予定していた工事の受注を断念したとの答えが1・5%から13・9%まで上昇。さらに、設備投資を控える傾向が出始めているとの見方もある。土木でも各種の届け出の遅れや、現場でのコロナ対策費などの費用増大といった影響が出ている。

影響が出た原因については、資材調達の困難さが引き続き多い。ただし、建築については3月末の調査で、全企業が調達困難と答えていたが今回は80・6%へ減少。多少の改善傾向もみられる。

このほか、三密回避のための工程調整や打ち合わせなどで通常よりも時間がかかる、県境をまたいでの作業が難しいと答えた企業もある。

民間工事は、建築・土木ともに発注延期や中止があったとの回答が増大。今後出てくるとの答えも多くなっている。

原因としては、発注者の景気悪化の懸念による計画見直しが最多。資金繰りの悪化や事業見直しによるものが続いている。また「大手ゼネコンの工事再開が始まった場合、資材や人員へ大きな影響が出そう」といった意見が出されている。

国土交通省や県でのテレワーク導入については、53・8%が工事に影響が出ているとし、連絡の取りづらさや、検査・打ち合わせの簡素化が図られないことによる遅れが指摘される。

売上高は6・9%が大きく減少、53・4%は減少と予想。前回調査は合わせて47・1%で、影響の拡大を不安視する企業が多くなっている。

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