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茨城県稲敷市

IC周辺まちづくり推進/屋内型市民プール検討/23年度まで基本計画

2020/06/04 日本工業経済新聞(茨城版)

 稲敷市は、2020年度から23年度までのまちづくりの指針となる市総合計画中期基本計画をまとめた。優先的に進める重点プロジェクトでは、地域活性化へ稲敷東IC周辺で「農と食のテーマパーク」まちづくり、新たな稲敷工業団地の整備を展開する。教育分野では小中一貫教育の検討、屋内型市民プールの整備検討、老朽化した幼児教育施設の改修や大規模改修、新園舎建設の検討などを進める。住環境の整備では官民連携による子育て世帯向け集合住宅の整備、霞ヶ浦を活用した和田公園の利活用の検討を行う。行政サービス分野ではAIやRPA(主に定型作業をロボットが代行して自動化する概念)の導入やスマート自治体の調査・検討を展開する。

 重点プロジェクトのうち地域活性化に向けては、圏央道の24年度までの全線4車線化への動きを踏まえ、稲敷東IC周辺地域や稲敷工業団地への新たな産業の集積を促進する。

 稲敷東IC周辺では、民間の資本や経営ノウハウと行政の調整能力が連携した新たな開発事業を促進する。稲敷工業団地では県開発公社と連携した新たな整備を進める。

 また成田国際空港周辺の地域振興へ基本プランや実施プランを策定し、同空港の機能強化の効果を地域に波及させる地域づくりを目指す。

 教育環境づくりでは、質の高い小中一貫教育の検討、学校施設長寿命化計画に基づき老朽化した施設の改修やトイレの洋式化を推進する。

 また小中学校のプールの集約や市民の健康づくりなどを目的に、屋内型の市民プールの整備を検討する。給食センターは新たな在り方を検討する。さらにタブレット端末の導入や無線LANなどのICT機器の整備を推進していく。

 子育て応援プロジェクトでは、将来的な保育施設や幼児教育施設の在り方を一体的に検討し、各地区の状況に応じた施設の配置を行うとともに、市内4地区に認定こども園の設置を検討。老朽化した幼稚園や認定こども園の施設は、施設の配置方針に基づき、老朽施設の部分的な改修や大規模改修、新園舎の建設などを検討する。

 素敵なまちプロジェクトでは、民間と連携し、中学生までの子育て世帯を対象にした集合住宅の整備を推進。

 質の高い都市基盤の整備としては、霞ヶ浦湖岸の和田公園について県と連携した利活用を検討し、交流や滞在ができる公園としてにぎわいと活気を創出する。霞ヶ浦りんりんロードの環境整備も推進し、市内への周遊サイクリングコースの設定や情報発信、案内表示、市内のサイクリング拠点整備、サイクルサポートステーションの拡大、サイクリストへの案内板設置などを行う。

 公共下水道については、全体計画の見直しを進め、区域外地域の合併処理浄化槽の普及を促進。ストックマネジメント計画などに基づく計画的な改修や見直しも進める。

 水道事業は、普及率の向上を図るとともに、老朽化した水道配水管の耐震化を進める。中長期的な経営戦略の策定も行う。さらに県や近隣自治体と水道事業の広域化を検討し、実現へ向けた取り組みを推進する。

 橋梁については、市内の445橋のうち15m以上の橋梁を対象とした橋梁長寿命化修繕計画に基づく点検や維持補修を展開。15m未満の橋梁も点検を行い、長寿命化計画を見直して修繕事業を実施する。

 地域環境の整備では、環境基本計画を策定し、新エネルギー政策や再生エネルギー開発を推進。防災情報通信の強化では、災害時の情報体制を確立するため新たな通信手段などを検討。アナログ式の個別受信機に代わる通信手段も継続して検討していく。防犯カメラも市内の公共施設や小中学校に設置する。

 福祉分野では、地域の福祉活動拠点である福祉センターについて、機能向上を含めた老朽化の改善を検討する。

 行政運営では、AIやRPAの導入検討を進め、業務の効率化を図る。公共施設は施設ごとの長寿命化計画を策定し、計画的な維持管理を行うとともに、指定管理者、民間委託業務の増加によりサービスの向上と経費削減を目指す。使われなくなった公共施設は貸し付けや処分など適切な活用方法を検討する。

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