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佐野市、上下水道局庁舎を建設、来年度に着工、S造平屋1000平方m、総工費4.8億

2020/06/16 日本工業経済新聞(栃木版)

 佐野市は、新上下水道局舎建設事業に着手する。大橋浄水場(大橋町1165)の一角に建つ旧水道官舎と資機材倉庫を解体撤去後、跡地にS造2階建て延べ約1000平方mの新局舎を建設する。実施設計はAIS総合設計(宇都宮市)が担当する。旧水道官舎外解体撤去工事は第2四半期に公告する。新局舎は2021~22年度の2カ年間で建設する。総工費は約4億8000万円を見込んでいる。

 現水道局舎はRC造平屋建て延べ472平方m。1969年11月に完成し、築50年以上が経過する。手狭な上に老朽化が著しく、耐震1次診断調査で耐震性不足が指摘された。構造躯体の耐用年数が過ぎており、現地建て替えで現庁舎の2倍以上の広さを確保する。

 計画では市水処理センター(植下町3300)2階に入居する下水道課の分散配置を解消する。県渡良瀬川上流流域下水道秋山川処理区は15年度に県から市に移管され、下水道法の規定に基づき流域下水道事業から公共下水道事業に移行した。

 移管に際し県から秋山川浄化センター、幹線管渠、中継ポンプ場を引き継いだ。県秋山川浄化センターは市水処理センターに名称を変更し、市町合併で流域下水道関係自治体が一つになったことから市が管理。市水処理センターは1級河川秋山川沿いに立地している。

 20年4月の市組織機構改編により水道局が下水道課を併合し、上下水道局に改称した。新局舎1階部分の窓口・事務室に企業経営課、水道課、下水道課を集約。2階には会議室、浄水場運転管理中央監視制御装置室、民間委託業者事務室を配置する。

 市は民間委託業務範囲を順次拡大し、07年度から料金収受業務を「両毛システムズ」(群馬県桐生市)、13年度から浄水場運転管理業務を「東芝インフラシステムズ」(神奈川県川崎市)に委託。民間のノウハウを活用し、市職員は50人以下に抑えている。

 旧水道官舎は、かつて水道課職員が常駐していた宿舎。S造2階建て瓦屋根。現在は使われておらず、隣接するCB造平屋建ての資機材倉庫とともに撤去する。条件付き一般競争入札を公告し、2カ月程度で解体する。

 新局舎実施設計を手掛けるAIS総合設計の落札額は2350万円(税込み)。地質ボーリング調査を含め、単年度で設計を仕上げる。地盤の強固な場所を選び、新局舎の建設地とする。引き続き取水(井戸5)、浄水、送配水施設を備えた大橋浄水場は機能を維持する。

 新上下水道局舎完成まで、現水道局舎は企業経営課と水道課職員が使用する。新局舎完成後に引っ越し、下水道課職員が改めて配置される。将来的には水道局舎は解体撤去し、跡地に駐車場を整備する計画。現段階では事業年次は決まっていない。

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