記事

事業者
その他埼玉県関係団体

川口市造協、寺山会長就任インタビュー

2020/07/09 埼玉建設新聞

 川口市造園業協会の新会長に5月29日付で寺山樹生氏(㈱テラヤマ代表取締役)が就任した。寺山会長は「2020年度から、川口市独自の樹木管理指針(街路樹編)の運用が始まった。多くの自治体のモデルケースとなるような街路樹の維持管理を行い、付加価値の高い街並みを形成したい」と抱負を述べた。

 同指針は19年度末に川口市が中心となり有識者や市造協らで構成する検討委員会でまとめたもの。「これまで行ってきた強剪定により、樹形の回復が見込めないものは植え替える」ことも明確化した。例えば下水管などのインフラが老朽化し計画的に更新していくように、樹木も植え替えが必要な時期を迎えている。

 「指針を基に運用をしっかりと行うのは当協会員。そこで、藤原英樹副会長を委員長とする樹木管理指針委員会を立ち上げた。7月に初会合を開きたい」という。

 関連して、20年度末には同指針(公共施設編)を策定する見通しとなっている。公園、庁舎、学校、病院、スポーツセンターなどが対象となる。

 「街路樹は災害、地球温暖化対策に有効。そして街のクオリティを高めるのに効果がある」と強調する。川口市は民間会社が調べた「本当に住みやすい街2020」ランキングで1位になるなど「人口増加を伴いながら発展を続けている」。

 街のクオリティに街路樹が果たす役割は大きい。「例えばニューヨークやメルボルンなどの都市では、強剪定で枝を切るということをまずしない。市民も、切って自然の樹形でなくなることは、街のクオリティを下げることだと捉えている。中国では意図的に盆栽のように仕立てて枝を伸ばし、日陰をつくっている」。

 国内にも先進的な事例はある。「表参道のケヤキがきれいで好きだという人は多い。維持管理は夜中に高所作業車を使用しコストと労力をかけている」。

 一方、多くの市町村では街路樹に関して、個々の苦情に対応することが多いという。「落ち葉が多い」「軒先に枝が伸びてきた」といった住民からの声は日々、寄せられ、迅速な対応が求められるケースも多い。これから指針の運用が本格化することにより、例えば「3年かけてこういう樹形を作ろうとしているから、少し待ってほしいと説明することができる」

 協会活動ではこのほか、4年前に取りまとめた政策提案「ガーデンシティ川口」の改訂版を作成する。川口市が緑の基本計画に基づいた政策を進めるための「より具体的な提案」を盛り込んだ内容となり、「市民にとっての魅力的な緑地の発展に、協会として積極的に提案し取り組んでいく」と意気込みを語る。

 市の大型プロジェクトは順調に建設が進んでいる。特に「完成した市役所本庁舎に施工された屋上緑化はすばらしい」。またイイナパーク川口(赤山歴史自然公園)の緑地整備では「自然復元型の計画が用いられ、トンボなどの昆虫が飛来できる環境づくりをしている」と述べ、今後も協会として全面的にバックアップする考えを示した。


【略歴】

 1967年6月25日生まれ、53歳。家族は「妻と2歳の福(オーストラリアンラブラドゥードル)。趣味は登山で、これまでキリマンジャロ、モンブランなどに登った。また世界一過酷なレースといわれているアイアンマンレース(水泳3・8㎞、自転車180㎞、マラソン42・195㎞)をこれまでに20回完走している。

記事資料

紙媒体での情報収集をご希望の方は
建設新聞を御覧ください。

建設新聞はこちら