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宿泊施設や支援センター/筑波大学が要求水準案/消防本部跡地に計画

2020/07/15 日本工業経済新聞(茨城版)

 筑波大学は、つくば市の旧春日消防本部(春日一丁目9―1ほか)の跡地利用計画事業で、整備を計画している宿泊施設や児童発達支援センター、民間健康・福祉施設などの設計・施工、運営、維持管理に関する要求水準書案をまとめた。公募型プロポーザル方式で選定する事業者に求める施設について、景観や地域環境、安全性などに配慮し、提案を求める計画の水準を示している。

 要求水準書案によると、業務範囲は施設および設備等の設計・建設(児童発達支援センター等の内装工事は含まない)、運営、維持管理等は全て事業者が実施する。同センターだけは事業者から市が借り受けて市が運営し、建物全体の共用部分の維持管理だけは事業者が行う。

 整備方針は、住宅地に近接しているため景観や地域環境に配慮する。防犯や火災、自然災害に対する安全性を確保し、シックハウス対策など安全で快適な施設とする。特に児童発達支援センターは利用する子どもたちに配慮する。省エネ化など地球環境への配慮も求める。

 埋設物の除去や土壌汚染等の費用は市が負担することが基本。埋設物除去では撤去範囲や工法などを大学や市と協議する。

 施設整備では、階層や建物形状は事業者が提案。トイレは各階に必要数を設置する。ライフラインの引き込みや管理は、ライフラインの事業者や市と協議し、適切な方式を採用する。そのほか配置計画、動線計画、外観デザイン・色彩、ユニバーサルデザイン、外構計画についても配慮を求める。

 児童発達支援センターは、延べ2000㎡を上限に、同センター、保健センター、教育相談センター、その他共用部で構成する。40台以上が駐車可能な駐車場も整備する。

 要求水準書案に対する説明会は7月14日に予定していたが、新型コロナウイルスの影響により中止。今後は案に対する質問や個別対話などを進める。

 大学では、要求水準書を満たす意欲的な提案を期待している。

 大学がまとめた跡地利用の実施方針によると、事業者が宿泊施設、児童発達支援センター等(つくば市が維持管理・運営)、民間健康・福祉施設等(任意提案)の設計・施工を行い、施設の運営、維持管理などを行う。

 事業方法はPFI事業のBOO方式。敷地(8242・37㎡)は大学が市より事業用定期借地権の設定を受けた上で、大学が事業者に事業用定期転借地権を設定する。

 事業者は自らの資金などにより、施設を整備し、事業期間中(30年以上50年以下)は施設を所有して運営、維持管理を行う。事業期間が満了した時は事業者が施設を撤去し、敷地を返還することを原則とする。

 事業者を選定する公募型プロポーザルの募集要項は10月20日に公表する予定。参加表明書の受け付け期限は2021年1月14日。続いて提案書類を審査し、21年10月にも優先交渉権者を選定し、11月中に事業契約を締結する。その後、設計に着手し、22年8月の着工、23年11月の竣工を目指す。

 つくば市の春日消防本部は老朽化に伴い、15年に市役所敷地内へ移転した。跡地に残っている中央消防署、筑南消防本部、訓練棟、簡易倉庫、防火水槽などは市が解体、撤去する。



【表=消防本部跡地活用事業 計画施設】

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