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栃木県烏山土木事務所

烏山土木、交付金導入の国道293号三輪、東側第1期900mで用地買収、全体2940m 第2期は用地調

2020/07/29 日本工業経済新聞(栃木版)

 県烏山土木事務所は、一般国道293号三輪工区(那珂川町)の用地買収に着手する。三輪工区は小川市街地西側の幅員が狭い現道を拡幅改良し、片側に歩道を設置する。全体延長は約2940mで3期に分けて整備。小川市街地に近い東側の900mを優先区間の第1工区、さくら市側の800mを第2工区、中間の1240mを第3工区に設定。今年度から国の交付金を導入し、第1工区の用地買収を開始するとともに、第2工区の用地調査を進める。総事業費は約9億8000万円を見込んでいる。

 現道の幅員は約7m。標準計画幅員は全幅11・25m。車線3・25m×2車線、路肩1・25m、1m、歩道2・5m。幅員構成は全区間共通とし、拡幅と併せて線形改良を行っていく。設計は富士コンサルタンツ(宇都宮市)、ニューフロンティア(同)が担当した。

 第1工区は町道東西線との交差点から西側の区間。北側は山林、南側は農地。主に農地側を拡幅する方針で、農作業道や用排水路の機能補償が必要に応じて実施される見通し。

 293号は那珂川町中心部を通過する重要幹線道路。三輪工区は歩道がない上に見通しが悪いカーブが多く、2車線の車道は狭小、路肩もほとんどない危険な状態。歩行者や自転車の安全が確保されず、また、普通車はもとより大型車同士の通行に支障を来すなどの課題を抱えている。

 293号は県を横断する重要路線で第1次緊急輸送道路。大型車両の通行は1日約1000台と多く、スクールバスを使って通学している後沢・小梨地区の児童生徒にとって危険な状況となっている。

 三輪工区の西側は志鳥バイパス(那須烏山市)や鹿子畑バイパス(さくら市)が完了しており、現道拡幅を主体とした上川井工区(那須烏山市)の改良事業も終盤を迎えている。

 三輪工区については2016年、17年、19年にとちぎの道現場検証が実施され、昨年は住民から「危険な通学路。歩道の整備が必要」「区間の前後はバイパス化されているので早急な整備をお願いしたい」との声が寄せられた。3日に行われた県議会県土整備委員会の調査では那珂川町が重点要望個所に挙げている。

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