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事業者その他記事(公共)
見出し群馬県での平準化における取り組み  
掲載 2020年8月4日群馬建設新聞  
本文

県内35市町村における公共工事平準化への取り組み状況をまとめた。国土交通省などは4月に2019年度の全国全自治体取り組み状況を公開。群馬建設新聞では同様の調査を19年度に引き続いて、7月に実施した。前回調査に比べ、平準化に向けて取り組み内容を増やしている市町村は少なく、国の促進策の効果はみられない。また市町村間で考え方などに温度差があることも分かった。発注量が少ない市町村では、平準化の必要性に対して見解の相違が見られたほか、平準化が発注者の責務と認識していないケースもあった。
国は19年6月に新・担い手3法を成立させた。公共工事の品質確保の促進に関する法律(品確法)において平準化への取り組みは発注者の責務として明記された。これまでも入札契約適正化法(入契法)などに基づいて◇さ=債務負担行為の積極的な活用◇し=柔軟な工期の設定の有無・設定状況◇す=速やかな繰越手続き◇せ=積算の前倒し◇そ=早期執行のための目標設定の実施状況-の5つの取り組みを掲げ、都道府県市町村へ推進を促している。
本紙の取り組み状況調査は19年度に引き続き実施。国土交通省などによる5つの項目調査と同様に5項目の実施状況を尋ねた。回答の中では事業量の少なさや工事規模の小ささを理由として取り組んでいないといった回答が目立った。また、市町村は人事異動によって数年で担当が変わるため、情報の共有が図られていないなど、発注現場レベルでの取り組み拡大は困難な雰囲気が垣間見える。
債務負担行為の積極的な活用は工事規模に関わらず、行うことが求められているが、その認識は薄い。
柔軟な工期の設定ではフレックス工期や余裕期間制度の導入は3市のみ。残る32市町村では導入に向けた動きは未だ見られない状況。
速やかな繰越手続きは、他の項目に比べると圧倒的に進んでいる結果となった。
積算の前倒しは年末や年度末は忙しいために行うことが困難との回答が相次ぎ、人員や担当課との連携の不足が浮き彫りになった。
早期執行のための目標設定は工事発注見通しの公表のみの対応にとどまっている市町村が大半を占めた。国は発注見通しの公表は大前提としているため、国と市町村での認識に大きなずれがあることも分かった。
弊紙による調査概要は次のとおり。
【債務負担行為の積極的な活用】
前橋市をはじめ7市10町村が積極的に活用していると回答。桐生市や沼田市、館林市、みどり市などでは年度内施工を原則としていることなどを理由に、積極的に活用していないとしたが、今後、積極的な活用に向けて検討を進める方針。町村は23町村のうち積極的に活用していないとしたのは13町村。積極的な活用に至らない理由としては大規模な工事がないことや年間の工事分散化を進めていることが挙げられた。昨年、弊紙が実施したアンケート調査とほぼ同様の結果となり、変動は見られなかった。
国交省は工期が12カ月未満の工事も積極的な活用を促しているほか、出水期までに施工する必要がある場合でも、適切に活用することが平準化につながるとしている。
【柔軟な工期の設定】
フレックス工期および余裕期間制度を導入しているかを質問。前橋市は4月1日に運用を開始、渋川市が19年度。館林市は15年2月に工事のみ運用基準を定めている。富岡市は導入に向けての検討を進めているという。このほかの市町村でも、近隣市町村の状況を見ながら研究中などとし、慎重に検討を進める方針。工事発注量が少ないと認識している町村は導入予定はないとの回答も目立った。
【速やかな繰越手続き】
桐生市、沼田市、館林市、安中市を除いて全ての市町村が速やかな対応を行っていると回答している。
桐生市は年度内施工を目指しているため、繰越の見通しが年度末になってしまうため対応が難しいと回答。沼田市は昨年同様に年度途中で繰越明許を行うことが必要となる事例がなく、今後は必要に応じて対応するという。館林市は年度内に工事が完了しているために繰り越す必要がないとし、安中市は速やかではないが、必要があれば実施している状態と答えている。
また19年度に速やかな繰り越し手続を行った案件は19年10月に発生した台風19号の災害復旧工事が大半を占めていた。
国交省は気象や用地の関係などのやむを得ない状況には速やかに繰越手続きを開始することを求めている。
【積算の前倒し】
10市12町村が行っていると回答。市による前倒し件数は多い順番でみると前橋市、富岡市が36件、高崎市は19件、太田市、藤岡市12件。伊勢崎市などは平準化の促進に向けた取り組みとしてではなく、必要に応じて行っているため、具体的な件数は把握していない。
取り組んでいない理由として複数市町村が、年末から年度末は業務多忙期間のため積算を行うのは困難としている。
国交省は発注前年度のうちに設計積算までを完了させることにより、発注年度当初でも速やかに発注手続きを開始でき、平準化につながるとしている。
【早期執行のための目標設定】
早期執行を目指し、執行率等の目標設定を行っているかを質問。現状、前橋市、甘楽町以外では具体的な目標設定をしていないことが分かった。前橋市は上半期に80%以上の発注率を目標にしており、甘楽町も目標を設定している。
設定していない市町村は年度ごとに施工場所や施工条件が異なることや、現場ごとの調整事項がある難しいとの理由が大半を占めた。
国交省では年末から年度末に工期末が集中することがないよう事業量の平準化等に留意し、上半期(特に4~6月)における工事の執行率の目標を設定し、早期発注など計画的な発注の実施を促している。

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