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栃木県県土整備部

県の入札制度改定、一般競争3000万以上に拡大、総合評価の項目統一、10月1日から、簡易型Ⅰ~Ⅲ新設

2020/08/04 日本工業経済新聞(栃木版)

 県県土整備部は10月1日から、総合評価落札方式などの入札制度を改定する。見直し内容は「適用基準」と「評価項目」が柱。設計金額5000万円以上だった一般競争入札の適用基準を3000万円以上の工事に拡大。原則10工種の一般競争に適用している総合評価も3000万円以上に拡大し、一般競争とともに5000万円未満に段階的に適用を拡大していく。評価項目の見直しは①13種類あった評価基準の統一②簡易型評価(Ⅰ~Ⅲ)の新設③新たな項目の設定。災害対応、週休2日制や建設キャリアアップシステム導入などを評価項目に加えた。(2面に関連表)

 簡易型評価は1億円以上3億円未満(建築4億円未満)に簡易Ⅰ型、5000万円以上1億円未満(建築2億円未満)に簡易Ⅱ型、3000万以上5000万円未満に簡易Ⅲ型を適用。簡易Ⅲ型は今年度、各土木事務所で数件程度を想定。実施結果を検証し、次年度以降件数を増やしていく考え。3億円以上は従来の標準型。

 施工計画は標準型は2項目5提案。簡易Ⅰ型では1項目4提案に簡素化し、標準設定のテーマから発注者が選択した1テーマについて所見を求める。簡易Ⅱ、Ⅲ型は施工計画の提出を求めない。

 総合評価は導入から15年が経過。取り組みが浸透した項目などは削除または配点を減らし、災害対応や働き方改革、生産性向上など先進的な取り組みを追加。品質確保に効果的な評価体系とする。

 具体的には技術者数、専門技術力、地域貢献の中の消防団加入者・事業所認定実績の項目を廃止。見直し後は工事無事故、登録基幹技能者の配置、配置予定技術者の工事成績評定、地域の守り手実績、担い手確保に関する実績を追加。企業の工事成績評定は76~80点以上(現行72~78点)で加点。

 先進的な取り組みの評価では①週休2日制工事②ICT活用工事③若手・女性技術者④建設キャリアアップシステム-のいずれかの実績・導入が該当すれば加点する。

 配点の上限は標準型28点、簡易Ⅰ型が24点、Ⅱ型が16点、Ⅲ型が11点。簡易Ⅰ型は施工計画書の配点が標準型の半分の4点。簡易Ⅱ型は配置予定技術者の能力、Ⅲ型は優良工事や企業の施工実績、先進取り組みなどを評価しない形とする。

 地域の守り手実績は、災害時協定のほか、評価基準日前2年間の道路・河川・砂防維持管理業務委託または除雪業務、5年間の応急対策業務実施協定に基づく応急復旧工事の実績を評価。

 また、簡易Ⅲ型の地域内拠点の評価は工事個所が属する市町に応じて実施。地域の実情を踏まえて中間点を設定する。中間点については各土木事務所と建築課のホームページで公表する。

 このほか受注者、発注者双方の資料作成や審査の負担軽減、入札手続きの期間短縮を図る変更を実施。総合評価方式の実施にあたり行われる学識経験者の意見聴取の方法も変更し、施工計画テーマが標準設定の場合は個別意見聴取を省略する。

 分離分割発注の場合、これまで入札参加者が工事ごとに作成していた評価資料を共通する資料であれば1部で済むよう事務手続きを簡素化する。

 総合評価方式を適用する10工種は土木、建築、鋼構造物(鋼橋梁)、とび土工(PC橋梁)、電気、管、舗装、塗装、機械器具設置、解体。災害復旧工事や補正予算など早期執行が必要な1億円未満の工事には適用しない。

 制度説明会は3、4、6日に県内3地域で実施(いずれもコロナ対策で事前登録者のみ)する。

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