記事

事業者
群馬県

Gの現状(水害対策)

2020/08/07 群馬建設新聞

2020年7月豪雨は、熊本県を中心に大きな被害をもたらした。18年、19年と大きな水害が日本各地で発生しており、水害の激甚化・頻発化が顕著になっている。大規模な水害がいつ・どこで発生するかは予想できず、安全・安心のためには“備え”が欠かせない。山本一太知事は防災・減災対策を重点施策に位置付け、県土整備プランで災害対策に重点を置いた見直しを進めるなど水害への備えが着実に進む。一方で、災害対策と発生時の対応で最前線に立つ建設産業は、担い手不足といった課題を抱えている。災害に対する備えとしても建設産業の課題解決に向けた取り組みが必要となる。

見直しを進めている県土整備プランは最重点政策に災害レジリエンス№1を掲げ、ソフト・ハードを一体的に行う防災・減災対策を推進する。3年間で19年の台風19号により溢水・越水のあった箇所で堤防の強化など対策工事を計画。さらに、5年の期間で河川災害の危険性があった箇所で浚渫などによる対策を完了させることを盛り込み、河川整備を加速させる。こうした取り組み以外にも水害・土砂災害のリスクを低減させるための防災インフラ整備や道路の無電柱化など、防災・減災対策を中心に据えた事業にも取り組む。今後、外部有識者による委員会や市町村などへの主要事業に対するヒアリングなどを進め、9月の定例議会までに素案を作成。12月定例会での議決を目指している。

水害対策はハード事業だけでは達成できず、ソフトと連携した取り組みが重要。県でも18年度に水位観測所にカメラを設置し、ホームページを通して状況を確認できる体制を整備。19年度からは簡易監視カメラの設置数を増やすなど対策を推進。確認できる情報も静止画の現状から、動画として見られるようにする方針を示しており、豪雨時に住民の避難を促すなどソフト面でも対策が行われている。

群馬県建設業協会(青柳剛会長)は2月、台風19号を受けて災害対応に関する問題点など会員企業を対象に調査。被害の大きい吾妻地域での作業員不足などの課題が顕著に表れた。結果を受け同協会は、災害対応組織力を保つために安定的な公共事業予算の確保などを提言している。

災害対策と対応の両面で建設産業の存在は欠かせない。行政と業界が連携して安全・安心を守らなければならない。

紙媒体での情報収集をご希望の方は
建設新聞を御覧ください。

建設新聞はこちら