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栃木市、聖地公園を再整備、近く設計委託、来年度に着工

2021/06/17 日本工業経済新聞(栃木版)

 栃木市は、市聖地公園再整備事業(皆川城内町450-1)に着手する。今後20年間で合葬墓2600体、2平方m程度の小規模区画墓地200基が必要と判断。近く実施設計を委託し、2022年度は工事に移行する。財源は墓地管理基金を活用。実施設計950万円、整備工事1億300万円と試算した。

 築約40年で改築時期を迎えた管理棟を駐車場に移転新築し、跡地に合葬墓を新設。区画墓地は緑地帯を活用する。実施設計の履行範囲は測量、地質調査、合葬墓、区画墓地、管理棟、付帯設備、周辺整備設計全体。納骨堂の設置は費用抑制の観点から見送った。

 整備工事は駐車場舗装撤去、既存の管理棟解体、合葬墓1000平方m、区画墓地700平方m(2平方mを200区画)、RC造100平方mの管理棟の新築、既存の管理棟の解体撤去、周辺整備。市営墓地6カ所の中で不足する機能は22年度以降に補う。

 市は6カ所に3458区画を保有。空き区画がなく墓地需要がひっ迫。多くの待機者を抱え、新たな墓域造成が喫緊の課題。近年は少子高齢化と晩婚や未婚化が進展し、定期的な供養や墓参に時間を割けない市民が増加。合葬墓の需要が増加している。

 19年度の市民アンケートでは71%が市営墓地供給が必要と回答。うち30%が合葬墓、64%が区画墓地の整備を要望。区画墓地希望者は合葬墓希望者の2倍であり、区画墓地のニーズは根強い。2平方m区画希望者は5平方m区画希望者の2倍を占めた。

 合葬墓需要は年間130体、20年間で2600体が必要と予測。合葬方式は間接共同埋葬とし、カロート(納骨室)は底付きで設計。遺骨の埋葬方法は納骨袋に納める。

 小規模区画墓地は限られた敷地に200区画を整備。礼拝に不可欠な献花台を設置する。

 他の5カ所の墓園は都賀聖地公園墓地(793区画)、藤岡中根墓地(270区画)、藤岡太田墓地(78区画)、西方東上林墓地(25区画)、西方菅ノ沢墓地(10区画)。墓所数は計1176区画。定期的に植栽管理、区画案内表示、給水設備を整備している。

 藤岡中根墓地はトイレの設置、西方地域の東上林墓地と菅ノ沢墓地は給水施設整備の要望が寄せられている。他の墓園も経年劣化設備があり、順次整備する。

 60歳以上は区画墓地を望み、60歳未満は合葬墓を希望する割合が高い。市民ニーズを踏まえ、合葬墓、区画墓地の両方を整備する。

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