2026/02/10
山火事に備える現場(山梨・SS)
山火事に備える現場
▼山梨県では近年、冬から春にかけての乾燥した時期を中心に山火事が相次いでいる。山間部が多く、住宅地と森林が近接する地域も少なくない同県では、ひとたび火が広がれば、住民生活やインフラへの影響は避けられない。こうした状況の中、建設業に求められる役割も、復旧対応だけでなく「未然に防ぐ」視点へと広がりつつある
▼その一つが、防火帯や緩衝帯の整備。防火帯は、草木の刈り払いや間伐によって可燃物を減らし、火の広がりを抑える空間をつくる取り組み。住宅地の背後や林道沿いなど、火災が起きた際に延焼の恐れがある場所に計画的に設けることで、被害を最小限に抑える効果が期待できる
▼加えて、樹種や土地利用を工夫した緩衝帯を組み合わせることで、熱や火の勢いを和らげることも可能だ。こうした対策は、一度整備して終わりではなく、継続的な維持管理が欠かせない点も重要である
▼建設業は、こうした防火インフラを形にする担い手として、自治体や森林所有者と連携しながら現場を支えていく立場にある。山林内の作業道や消火活動に使えるルートの整備、周辺道路や避難路の維持管理など、日常の仕事の延長線上にできることは多い。現場を知る技術者の知見を生かすことで、実効性の高い対策につなげることができる
▼山火事は、いつ起きても不思議ではない災害。地域の特性をよく知る建設業者が、予防と備えの一端を担うことで、土地の自然と暮らしを守る力はより確かなものになるだろう。防災を「特別な対応」にせず、日々の仕事の中に組み込んでいく姿勢が、今後ますます求められている。(山梨・SS)















