2025/08/01
猛暑の中の猛暑(山梨・OS)

猛暑の中の猛暑
▼土工などに続き舗装工もICT施工が標準になるようだ。国は来年度から舗装工についてICT施工を必須とする工事を拡大。24年度末時点で実施率は75%に達しており、段階的に原則化する方針だ
▼就業者の確保が厳しさを増す中、経験が浅くとも一定の品質を確保できる。高温な資材を扱うことによる事故のリスクを軽減できる。省人化を進めつつ経営が成り立つだけの工事量をこなす。なじみのやり方のままでは、いずれ行き詰まるのが時代の流れ。人手不足はどの業界でも喫緊の課題だ
▼梅雨明けが例年より早く、今年は7月早々から猛暑日の連続。これがあと数カ月続くと思うと気が重いのは、誰より舗装職人か。時折夏場の舗装現場を見かける。一見して厳しい環境は明らか。痛いほどの日差しの中、さらに高温の資材を扱う。山梨県甲州市の総合建設会社の幹部が県との意見交換の場で「夏場、舗装の資材は何百度にもなる。職人の待遇を良くしてあげたい。それには会社に体力がなければ」と話していた
▼ICT導入は作業の助け。ただそれと共にもうけにつながってほしいのは経営者とすれば当然だ。導入により現場は回るが利益は減ったでは、職人の苦労に応えることができない。行政には対応建機を安心して導入できるようなメッセージ。はしごを外すような政策はしないという確約が欲しい
▼毎日当たり前のように安全に走れる道路。それを支える人たちが健康で豊かな生活を送れる環境づくりは公益につながる。さまざまな観点からICTのあり方を考え、発注者・受注者共に「導入して良かった」といえるようになってほしい。(山梨・OS)