記事

事業者
長野県松本市

基本設計は7月に指名競争で

2024/04/27 長野建設新聞

松本市は乗鞍観光センター周辺整備事業におけるPPP/PFI導入検討結果について、25日の総務委員協議会で報告した。市の説明によると、総事業費の削減が大きく見込めないことから従来通り指名競争入札で行うとした。6月補正に基本設計費を計上し、7月にも指名通知する。

今回の検討では、観光センター周辺整備において導入可能性のあるDB+O方式、DBO(SPCあり)方式、DBO(SPCなし)方式、PFI(BTO)方式に絞り、従来通りの入札方式と比較してどれだけ総事業費を削減できるかを算定。その結果、DBO(SPC)方式では2.39%(約4600万円)削減できるとなったが、そのほかの方式ではマイナスとなり、財政的負担の軽減効果は見られなかった。また、同方式で地域活性化事業債を活用した場合の交付税措置を加味すると0.6%(約1000万円)の削減にとどまった。

市はDB+O方式、DBO(SPCあり)方式、PFI(BTO)方式は、事業費削減が見込めなかったことから不採用とした。また、唯一事業費削減が可能となったDBO(SPC)方式についても、削減効果はわずかながら発現するものの、民間事業者のノウハウ活用による効果が極めて限定的。また、2028年度の竣工が見込めず、地域脱炭素移行・再エネ推進交付金の活用ができなくなることから採用を見送った。

今後のスケジュールについては基本設計を今年秋頃に発注、25年度に実施設計と申請手続き、26年度から建築工事および外構工事に取りかかり、竣工後に既存施設の解体工事に着手。供用開始は27年度中を計画している。

同事業で新たに建設する施設の敷地面積は約1万8000㎡で、ゼロカーボン、案内・誘導拠点、交通拠点、滞在・交流拠点機能を持つ乗鞍高原の新たな拠点施設として計画。環境に配慮し、地域産材を積極的に利用した木造建築を基本とする。新施設は平屋とし、延べ床面積は約1200㎡を見込む。概算費用は建築工事費約8億2000万円、外構工事費約3億4700万円、除却工事費約1億円の計12億6700万円を試算。

紙媒体での情報収集をご希望の方は
建設新聞を御覧ください。

建設新聞はこちら