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群馬県中部農業事務所農村整備課

中部農業事務所農村整備課長・茂木課長インタビュー

2024/05/01 群馬建設新聞

中部農業事務所農村整備課への配属は25年ぶりとのこと。当時は前橋市の防災ダムや伊勢崎市の大区画ほ場整備事業を担当していた。耕地面積が広く、ほ場整備率も高くなっているのが中部地区の特徴で「当時と比べて水田整備から畑地整備にシフトしている。区画整備が進んだため、これからは水路やため池などの水利施設の保全対策がより一層重要となっていく」と話す。

ため池に対しては、昨年度から勝山沼、本年度は庚塚沼に着手するほか、坂東大堰、大正用水、赤城大沼用水、群馬用水など水利施設の改修も進めるとし「地震や豪雨などの自然災害が頻発しており、対策の重要性は年々大きくなっている。管内の担当する水利施設は高崎市、渋川市や榛東村など広範囲にまたがっているのが特徴。被害が甚大になるのを防ぐためにも、防災・減災に向けた取り組みをしっかりと進めていかなければならない」と力を込める。

職員に対しては設計・施工業者、農業者とのコミュニケーションや実際に現場を見て技術力を高めることの重要性を伝えたいと話す。自身が携わったため池改修工事では、地盤が悪いといった悪条件により限られた工期の中での事業となり「設計や施工業者と一緒にさまざまな検討をした。それでも農業者の方にも心配をかけてしまったが、影響が最小限となるよう力を尽くした。職員には、複合的な問題に対し、内容を明確にし、複数の選択肢を提起するなど合理的な提案ができるよう技術力を磨いてほしい」という。

建設産業に対しては「豚熱や鳥インフルエンザなど特定家畜伝染病への対応に感謝を申し上げたい。幸いなことに管内ではこの1年間発生しておらず、対策も進めているものの、いつ、どこで発生するかわからない。もしもの時には、ご協力をお願いしたい」と話した。また、中部農業事務所では、特定家畜伝染病の発生に備えて、群馬県建設業協会、群馬県農村整備建設協会の会員と一緒に埋設予定地の調査を行うとのことで「一緒に事前の備えをしていただけることは大変心強い。中部地区の、ひいては群馬県の畜産業のためにこれからも力を貸していただきたい」と協力を呼び掛けた。

休日は農作業をすることも多く、これまでにも多くの野菜をつくってきたとか。県農政部が有機農業を推進していることもあり、農薬・化学肥料を使わない野菜づくりにチャレンジしたいという。「これからの季節だとトマトやナスになる。色々と勉強をしているが手間暇もかかり大変そう。この夏はもう一つの趣味である海釣りにはあまり行けないかもしれない」と苦笑した。

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