過労死等防止のための対策に関する大綱の変更が2日、閣議決定された。大綱策定から10年を迎えるため最新の成果を加えるとともに、全面施行となった時間外労働上限規制、個人事業者の安全衛生対策・健康管理などを盛り込んでいる。
変更のポイントは、2025年に大綱策定から10年を迎えるため、それまでの調査研究や取り組みの成果を踏まえ今後の対策を推進。また、4月から全面適用された時間外労働の上限規制の順守を徹底、過労死等を繰り返し発生させた企業に改善計画を策定させるなど再発防止の指導を強化。フリーランス・事業者間取引適正化等法の施行後の履行確保、個人事業者等の安全衛生対策・健康管理の強化、労災保険の特別加入制度の対象拡大等の取り組みを推進する。
医療、建設業、メディア業界などが含まれる重点業種等に芸術・芸能分野を追加。
事業主は、管理職や上司、若年労働者に対する労働関係法令の研修等を実施。労働組合は、職場で労働関係法令が適切に運用されているか定期的に確認するなど、国以外も含めた関係者による取り組みを推進する。
時間外労働の上限規制に関して建設業は、24年通常国会に、処遇改善に向けた賃金原資の確保と下請事業者までの行き渡り、資材価格転嫁の円滑化による労務費へのしわ寄せ防止、さらには、働き方改革や現場の生産性向上を図ることを内容とする法律が成立したことを受け、それに基づく取り組みを推進する。