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栃木県小山市

城山町3丁目第2再開発、小山市が組合設立を認可、総工費259億円、27年着工へ

2024/12/03 栃木建設新聞

 小山市は、城山町3丁目第2地区第1種市街地再開発事業(1・2ha)の組合設立を認可した。JR小山駅西口駅前広場に隣接するⅠ街区にRC造地上20階建て高さ60mの住宅棟、S造地下1階地上8階建て高さ30mの駐車場棟、S造地上10階高さ40mの宿泊棟を、Ⅱ街区にはS造地上12階建て高さ50mの商業・宿泊棟を建設。共同住宅は380戸を供給する。2027年4月に着工し、31年3月の事業完了を目指す。総事業費311億6700万円、総工費259億3200万円を見込んでいる。

 駅前の顔となる複合拠点の実現を目指し、土地の合理的で健全な高度利用を図る。街なか居住推進とともに、にぎわいづくりを支える商業や宿泊施設の都市機能を更新。地域の利便性向上と魅力ある複合市街地を形成し「ウォーカブルなまちづくり」に貢献する。

 Ⅰ街区南側の駅前広場や市道2263号線(みつわ通り)に面し、広場と歩道状空地を整備。低層部分は商業機能、高層部分は居住機能。Ⅰ街区北側に宿泊機能を導入し、自走式駐車場の出入り口は北側のみつわ通りに設ける。Ⅱ街区は商業・宿泊機能を導入する。

 敷地面積はⅠ街区が8220平方m、Ⅱ街区が1250平方m。建物の延べ床面積はⅠ街区の住宅・駐車場棟が4万9100平方m、宿泊棟が4000平方m、Ⅱ街区の商業・宿泊棟は7300平方m。用途は商業地域、準防火地域、高度利用地区、地区計画区域。

 Ⅰ街区の住宅・駐車場棟は1階が住宅エントランス、店舗、事務所、駐輪場。2階が住宅、店舗、事務所。3~20階が住宅。地下1階と塔屋が機械室。自走式駐車場は1万2663平方mで436台を収容。駐輪場636台、自動二輪用は40台分を確保する。

 Ⅰ街区の宿泊棟は1階が宿泊ロビー、店舗、事務所。2~10階が宿泊施設(平均390平方m)。塔屋は機械室。Ⅱ街区の商業・宿泊棟は1~2階が店舗、事務所。4階が宿泊ロビー。5~12階が宿泊施設(平均525平方m)。3階と塔屋が機械室。

 県道小山停車場線、みつわ通り、駅前広場といった人々の動線が交錯する公共施設に囲まれており、歩行者の回遊性向上と適切な植栽で緑豊かな潤い空間を演出する。敷地外周部に都市計画道路や区画道路と一体的な「歩道状空地1~2号」の歩行者空間を形成する。

 隣地境界部に歩行者ネットワークを拡充する「歩行者通路1~2号」を築造。駅前広場に新設する「区画道路4号」(500平方m)、「広場1号」(300平方m)は歩行者滞留空間となる。みつわ通り面する「広場2号」(180平方m)は地域コミュニティを形成する。

 既存の市道2263号線(区画道路1号)、市道2266号線(区画道路2号)、法定外公共物(区画道路3号)は拡幅改良。Ⅰ街区南側の駅前広場に面する区画道路4号(延長36m、幅員13・2~14・24m)は、イベントスペースや防災拠点に役立てる。

 再開発コンサルタントは日本設計、事業協力者は東京建物、アドバイザーは首都圏不燃建築公社、基本設計は松田平田設計。組合設立後は実施設計、権利変換計画作成、解体工事、新築工事の順で進む。06年12月の権利者らによる「まちづくり勉強会」が出発点。

 小山駅はJR4線(東北新幹線、宇都宮線、両毛線、水戸線)の結節点。新幹線は東京駅まで42分の通勤圏。地区南側は小山駅前通りや西口駅前広場が整備済み。近年は空き家や平面駐車場が目立ち、都市機能の空洞化対策、都市景観上の改善が望まれている。

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