県河川課は、国庫補助や交付金を充当する2025年度河川事業の概要をまとめた。東日本台風で被災した巴波川(栃木市)、田川(宇都宮市)など改良復旧を含む4事業23工区(水文観測等含む)で事業費が61億4810万円。掘削や築堤、護岸工事を推進し、巴波川は流出施設に併せ落差工を発注。地下捷水路下流の巴波川は、JR両毛線下流に排水樋管を新設するため水路と併せ詳細設計を実施。菊沢川・船津川町(佐野市)は工区約3㎞の河道詳細設計を実施する。新規の尾名川(足利市)は路線測量に着手する。(2面に主要事業と実施箇所)
激甚災害対策特別緊急事業の巴波川は37億5090万円。下流側からシールドマシンによる地下トンネル、到達施設(薬液注入)、立て坑の進ちょくを図るほか、流出部の落差工と護岸工を発注する。
大規模特定河川事業の姿川・大谷(宇都宮市)には1000万円。宇都宮今市線大谷橋上流側の公図混乱地区で地図訂正と用地測量。武子川(鹿沼市)には500万円。JR日光線橋梁を架け替えるため地下水調査や施工ヤードなど準備工を進める。
地下トンネル下流9・2㎞区間の巴波川は8700万円。流下断面が不足する箇所の掘削工事に加え、JR両毛線下流側に排水樋管を新設。樋管と排水する水路の詳細設計を実施する。
杣井木川(小山市)は4億8000万円。調節池の用地調査とともに用地・物件補償を継続。旗川(足利市)1・4㎞には7000万円。最上流で稲岡橋を架け替えるため地下水調査やJR両毛線上流部の掘削・護岸工を実施する。
防災・安全交付金重点事業の田川は10億5000万円を配分。川田調節池の残る用地補償や地下水調査を進め、掘削や周囲堤の進ちょくを図る。本川は東橋上流部の掘削工事を発注する。
防災・安全交付金は県内を対象に水文調査と長寿命化計画の更新を含む15工区に6億8520万円。重点配分は改良復旧終盤の秋山川(佐野市)。桐生岩舟線大橋の架け替えとともに同橋下流部の物件補償、掘削・築堤・護岸の進ちょくを図る。
新規の尾名川は奥戸町の旗川合流部から川崎町のJR両毛線まで約2・7㎞が事業区間。計画流量毎秒130立方mの洪水を安全に流下させるため掘削8万立方m、築堤9万3000立方m、護岸3500平方mを計画。道路橋6橋を架け替え、排水樋門1カ所を改築する。今年度は路線測量を実施する。
武名瀬川(上三川町)は掘削と護岸を継続するほか、7号町道橋の迂回路を撤去する。武子川・仁神堂は293号仁神堂橋架け替え周辺部の物件補償。思川・乙女網戸(小山市)は掘削工事の進ちょくを図る。
栃木市の巴波川・大町と永野川は用地補償。巴波川が上流部、永野川はJR両毛線(橋梁)取り付け部堤防。足利市の矢場川と姥川も用地補償を継続する。
江川・喜連川(さくら市)が293号上流側、荒川・三箇(那須烏山市)は市道藤田橋上流側の掘削工事を実施する。
鹿島川(大田原市)は上池と下池の間の雨水函渠の付け替えを実施する。