国土交通省宇都宮国道事務所は23日、今年度事業概要を公表した。事業費は39億8900万円(調査、維持管理除く)。内訳は改築19億2700万円、交通安全Ⅰ種7億6900万円、Ⅱ種2億9300万円、電線共同溝10億円。121号日光川治防災で橋梁下部工、改良工事に着手。4号西那須野道路は改良や電線共同溝、歩道橋工事、4号矢板拡幅は改良工事を推進する。電線共同溝は小山喜沢など4号を中心に9カ所で調査設計や工事を進める。
権限代行の日光川治防災は、日光市五十里から川治温泉川治まで3・4㎞区間の防災対策事業。延長約2990mのトンネルと鬼怒川を渡河する約300mの仮称・川治4号橋の大型構造物で構成。今年度事業費は4億4000万円。川治地区の公共補償を進めるとともに橋梁工事に着手する。
橋梁は幅員8mの鋼4径間連続トラス桁。下部工は深礎杭ラーメン式橋台2基、深礎杭張出式橋脚3基。第2橋脚は高さ50mを超え、着工予定の第3橋脚も約50mの高さ。工事に向け国道121号から分岐する工事用の市道拡幅に着手する。
改築の4号西那須野道路は那須塩原市三区町から西富山までの延長4・6㎞のバイパスと現道拡幅事業。今年度事業費は6億8700万円。調査設計や公共補償、三区町の電線共同溝や改良工事などを進め、烏ヶ森公園歩道橋工事を促進。
排水構造物工やアスファルト舗装撤去、除草工を行う環境整備工事、三区町電線共同溝工事を9月までに発注する。
矢板拡幅は、東北自動車道矢板ICと接続する矢板市片岡から針生までの延長6・5㎞の現道拡幅事業。今年度事業費は5億5000万円。調査設計や前岡地区改良工事、片岡地区などの用地買収に取り組み、6月までに片岡地区改良工事を入札する。
矢板大田原バイパスは、矢板拡幅と西那須野道路を結ぶ区間(矢板市針生~那須塩原市三区町)の延長7・9㎞の4車線化事業。南側はJR宇都宮線跨線橋や箒川橋梁を含むバイパスとし、北側は現道を拡幅する。
矢板市土屋交差点付近は跨線橋があるほか、一般県道大田原矢板線がランプ形式で合流する構造。今年度事業費は2億5000万円。土屋地区などの用地買収や環境整備を実施する。
交通安全事業は宇都宮市の4号雀宮(駅北)、上横田1、2工区の連続した区間の歩道整備、平出工業団地交差点改良、小山市の粟宮歩道整備、那須町以北の線形改良など。
このうち粟宮歩道整備は沿道に住宅が立ち並び、小学校通学路となっている粟宮南交差点前後の1・4㎞が事業区間。現況幅員は歩道が1・5m程度の12・15m。計画幅員は16m(車道3・5m×2、路肩1・5m×2、歩道3m×2)。今年度事業費は2億500万円。用地買収と工事を継続する。
平出工業団地交差点は4号、新4号、119号が交差。4号上り線直進車両の渋滞が左折車両を阻害するため、前方車両の減速による追突事故が多い。
交差点前後の左折専用車線の延伸や流入部のカラー化、追突注意の路面標示などを0・6㎞区間で行っており、改良を引き続き実施する。今年度事業費は1億7700万円。
電線共同溝事業の対象は4号が小山喜沢(延長3㎞)、下野市薬師寺(3・1㎞)、下古山・茂原(3㎞)、下古山・茂原2(1・2㎞)、平出工業団地2(0・9㎞)、下岡本町(2㎞)、中岡本町(3・5㎞)、宝積寺(9・6㎞)の8カ所。50号が足利市西新井町(1・4㎞)の1カ所。
各箇所で調査設計や支障物移設、本体工事、引込連系管路工事を推進。6月までに下岡本町、平出工業団地2、下野薬師寺の電線共同溝工事を発注。平出工業団地は路面復旧を実施する。
維持管理は県内(一部茨城、埼玉、福島県含む)の4号、新4号、50号の3路線総延長約230㎞が対象。巡回や清掃、除草、樹木剪定、除雪といった日常管理や道路施設の点検、補修を実施。宇都宮大学と連携した雑草対策の研究に引き続き取り組む。
老朽化対策で点検する橋梁は4号鬼怒川橋、新4号柳橋跨道橋、50号足利陸橋など。補修工事は4号栃福橋、新4号新利根川橋(下り)、50号新巴波川橋などを実施。
災害協定を締結する県測量設計業協会は無人航空機やオペレーターによる災害応急対策活動に関する訓練を定期的に行うなど災害に備えていく。