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成田国際空港(株),千葉県

将来像踏まえ道路検討/エアポートシティ構想策定/成田空港に関する四者協

2025/06/16 日刊建設タイムズ

 国土交通省、県、空港周辺9市町、成田国際空港で構成する「成田空港に関する四者協議会」が12日に行われ、「成田空港『エアポートシティ』構想」について合意が形成された。目指すビジョンとして「誰もが輝き、世界と響き合う『フラッグシップ・エアポートシティ』」を掲げている。複合的な広域幹線道路ネットワークの整備に向け、首都圏中央連絡自動車道、東関東自動車道水戸線、北千葉道路、新湾岸道路により広域物流網を形成するとともに、空港の拡張と周辺の国際物流・産業拠点の将来像を踏まえた道路のあり方を検討する。

 ビジョン実現に向けては、あらゆる分野で▽現行の枠組みを超越した多様な主体による革新的な取り組み▽起爆剤としての大規模かつ集中的な資本投入、多様な民間投資の継続的な誘発▽必要に応じた規制緩和と制度導入――の観点が必要とした。

 アプローチとして「産業・イノベーション」「ウェルビーイング」「交通・モビリティ」「ダイバーシティ・サステナビリティ」を定めている。

 「産業・イノベーション」で、航空宇宙産業、精密機器・先端技術関連分野、ライフサイエンス分野、農業分野、観光分野、物流分野の集積・拠点化・強化を図るとともに、成田空港の国際的な物流・産業ハブとしての機能強化に向けた規制緩和・制度導入の検討を行う。

 「ウェルビーイング」では、空港と高度産業を支える人材の育成・集積、高度人材に選ばれる魅力的な居住エリア・景観・新たなコミュニティの形成、豊かな里山・田園・海・川と共生する新たなライフスタイル、空港周辺のグローバルで高質な教育環境整備を実現する。

 「交通・モビリティ」に関しては、複合的な広域幹線道路ネットワークの整備、鉄道アクセスの充実、周辺のまちづくりを踏まえた効率的な地域公共交通の実現を図る。

 「ダイバーシティ・サステナビリティ」においては、多様なルーツを持つ人々による国際交流拠点の形成とダイバーシティ推進、空港を核とした防災拠点の確立などを構想している。

 エアポートエリア内のゾーニングについては▽インダストリアル・ゲートウェイ=物流・産業機能と高付加価値農業・輸出拠点が共存する複合ゾーン▽スカイ・フロンティア・クロス=航空宇宙産業を中心とした先端産業拠点・トレーニング施設の集積ゾーン▽ライフサイエンス・パーク=医療・研究開発拠点を中心としたライフサイエンス事業の集積ゾーン▽アクセス・ビジネス・ハブ=業務・宿泊機能を備えた交流拠点ゾーン――を設定している。

 構想実現までの中長期的な道のり(ロードマップ)として、主に▽2025~30年度=インフラ(道路、水、電力など)整備、関連企業の誘致・マッチング、周辺道路の整備着手▽30~50年度=産業拠点形成の完了・本格稼働、周辺まちづくりの進展▽50年度以降=ゾーン・エリアの成熟、持続可能性の追及、将来変化への対応――を見据えている。

 

「空港第2の開港」/大型事業総称決定

 

 また、成田空港におけるビッグプロジェクトの総称(愛称)を「成田空港第2の開港プロジェクト」に決定した。

 今後、「さらなる機能強化」と「『新しい成田空港』構想」を併記する場合に使用する。

空港都市圏のゾーニング エアポートエリア内のゾーニング 空港と空港近接エリアに立地する産業・居住・観光拠点を結ぶ地域公共交通ネットワーク ロードマップ 推進体制

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