県那須農業振興事務所は、県営農業農村整備事業を9地区で推進する。2025年度事業費(計画調査地区、24年度補正含む)は4億3482万円。農地整備の倉骨が着工し、巻川への排水樋管工を9月ごろ指名競争で入札。練貫は一般県道東小屋黒羽線横断部のボックスカルバート水路工で、7月下旬~8月上旬に条件付き一般競争を公告する方針。荒井町島は水路工を早ければ8月、中田原は水路工を10月ごろ指名する。新規は農地整備の親園鴨内川、水利施設整備の矢の目で実施設計を委託。調査地区は赤瀬台・鹿畑で基礎調査に着手する。
25年度事業費は農地整備の倉骨7500万円、練貫8840万円、中田原5000万円、荒井町島1000万円、下深田350万円、親園鴨内川6900万円。赤瀬台・鹿畑は1900万円。農地整備は赤瀬台・鹿畑を含め7地区とも大田原市。矢の目(那須町)は1700万円。
倉骨の事業区域は大田原市中心部の南東約6㎞に位置する水田主体の農地。西に蛇尾川、東に巻川が流れ、北側はライスラインや国道400号に接している。全体計画は整地工45・6ha。事業期間24~30年度。全体事業費13億1800万円。
圃整工に先立ち、下流部で事業区域と巻川を結ぶ排水路と樋管を整備。排水樋管は巻川右岸に新設。樋管はボックスカルバートで規模は幅1・5m×高さ1・5m、延長5・6mを予定する。
排水路は延長約180mで幅1・5m、高さ1・2mの2面張り。26年度に既設の水路改修を含む巻川樋管~事業区域間の水路工と圃整工の着工を目指している。
練貫は24年度から相の川への取り付け水路改修工事に着手しており、25年度は取り付け水路の県道横断部とその周辺の水路改修を実施。北側に仮設道路を設置し、幅3・5m、高さ2m、延長19mのボックスカルバートを布設する計画。圃整工は26年度からの実施を目指している。
荒井町島の水路工は区域中央部で完了した圃整工箇所で実施。延長は140m。事業完了に向け地元要望を踏まえた補完工も併せて行う。工事は25年度に終え26年度は換地業務を完了させる予定。
中田原は圃場間を結んでいる水路など複数箇所の水路工を検討中。委託した実施設計で水路工や補完工の事業量や箇所を精査する。水路工は26年度も予定。下深田は換地業務を進め事業を完了させる。
親園鴨内川の事業区域は市中心部から約4㎞南に位置する主要地方道大田原氏家線西側の農地。全体計画は整地工72・8ha。圃場の大区画化と併せて用水路、排水路、道路を一体的に整備する。暗渠排水工と客土工7・2haを計画。揚水機は16基新設。用水路の一部をパイプライン化し、排水路も一部暗渠化。田んぼダムに対応した排水桝を設置する。
事業期間は25~34年度の10年。全体事業費は21億9900万円。25~26年度は換地原案作成に必要な業務や実施設計。27年度に着工する予定。
矢の目は矢の目ダムの老朽化した水管理制御設備、電気設備を更新する。23年度に機能診断を行い保全計画を策定した。事業期間25~27年度で全体事業費約4億8000万円。実施設計を三祐コンサルタンツに委託し26~27年度に製作据え付け工事を実施する計画。
国営造成管理(水利施設等保全高度化)の那須野原(那須塩原市、大田原市)は1億292万円。24年度に発注した深山ダム諸量演算装置更新工事を進める。
農地整備の事業化に向け調査に入る赤瀬台・鹿畑は倉骨地区に隣接。赤瀬台はライスラインを挟んだ北側の台地、鹿畑は400号を挟んだ東側の比較的平坦な農地。受益面積約65ha。調査対象面積は約80ha。
基礎調査で用水や排水系統、支障物件など現況を把握。大田原市も換地等調整事業を実施する。28年度計画樹立、29年度事業採択を目指している。