県大田原土木事務所は、108カ所に51億9430万円を投入する2025年度事業概要をまとめた。内訳は道路・街路事業が68カ所で44億1490万円、河川砂防事業は40カ所7億7940万円。西那須野那須線上厚崎・北弥六と3・3・9号産業通りは、ルートを検討する路線測量と詳細設計。461号黒羽バイパスは西側1730mを優先区間に決め、道路・交差点詳細設計と那珂川橋梁予備設計。景観検討委の協議を踏まえ最適な橋種に絞り込む。新規は蛇尾川砂防蟇沼で帯工7基の詳細設計に着手する。(2面に主要事業箇所)
大田原市の大田原氏家線親園佐久山バイパス2期は26年春の開通を目指し残る改良、舗装、防護柵、照明、標識など仕上げ工事を発注。
北進の親園バイパスは概略設計をまとめ路線測量に移行。26年度の詳細設計に備える。概略ルートは人家連たん区間を回避し既設の農道を活用。市道ライスライン親園線から念仏川、加茂内川、百村川を渡河し、現道の筋違橋北側で現道に合流。概算延長が2200m、幅員12mの片側に歩道2・5mを計画した。
461号黒羽バイパスは、西側の南金丸地内から現道南側に分岐。那珂川右岸で294号、左岸では那須黒羽茂木線と交差点を形成。那珂川渡河部は松葉川合流部付近に決め道路詳細設計と橋梁予備設計でルートを固める。
既設の那珂橋は1933年の架設で老朽化し6㌧の荷重不足が指摘される。25年度はトラス桁塗装を2分割、断面修復の計3件を第2四半期に一般競争で発注。バイパス整備まで補修対策を行い、延命化を図っていく。
初めて工事に着手するのが黒磯黒羽線中野内と那須西郷線池田。中野内は終点部の那須黒羽茂木線交差点から西に1200mの狭あい区間を是正し片側に2・5mの歩道を確保。松葉川を渡河する大谷橋を架け替える。
新橋は現橋の上流側に新設。橋長38・3m(幅員10・5m)のPC単純ポストテンション方式スラブ橋。下部工が杭基礎逆T式橋台2基。工事は橋梁架設に伴う取り付け部を予定。
池田はクランク形状の町道池田高久線交差点と湯本小島線交差点に右折レーンを設置。狭あいなカーブを含む延べ700mを改良。工事は右折レーン設置に伴う拡幅。
3・3・3号野崎こ線橋通り1213mはJR宇都宮線をオーバーパスし東北新幹線下を横断する。461号交差点付近などまとまった用地を確保した箇所から改良工事の進ちょくを図る。
軌道上の橋長が94・4mで上部は3径間連続合成床版プレビーム合成桁。下部工は杭基礎逆T式橋台2基、杭基礎張出式橋脚2基で、擁壁立ち上げを含む高架部延長が400m。
那須塩原市の400号西赤田は東北自動車道西那須野塩原ICにアクセスする重要物流道路。延長2500mを4車線に拡幅し3工区に分け推進。IC側900mを先行し改良工事を進める。
西小学校入り口には歩道橋を新設。橋長が36・7m(幅2・1m)の中路式鈑桁。旧道から北側700mは用地補償、中央部の900mは法線を見直す。
重要物流道路の400号東進区間は大田原市新富町。鹿島川渡河部をボックス工で架け替え。既設の電共を付け替え用地補償、工事を実施する。
中田原寒井線は大田原芦野線分岐交差点を改善。クランク形状の市道小滝1号線と十字路化し、視認性を確保。分岐部から450mの歩道未整備区間は2・5mを確保し幅員を11・25mに拡幅。電柱移設や用地補償を実施。
西那須野那須線西遅沢は、4車線の中抜け区間。蛇尾川を渡河する遅沢橋の4車線化で残る橋脚1基と上部工を発注。橋脚は杭基礎張出式、橋台2基は4車線一体型で施工済み。
橋梁を架設するのは下流側上り線。橋長は142・6m(幅員10・75m)の4径間連続鋼鈑桁。
西那須野那須線黒磯那須バイパスは事業終盤。用地取得は完了しており、調整池工と盛り土工を各2件、補強土壁と切り土工を各1件の計6件について一般競争で第2~第3四半期にかけて発注する。
那須高原線はサファリパーク入口交差点から白沢橋まで3000mを拡幅改良するほか、広谷地交差点には右左折レーンを設置し交通流の円滑化を計画した。路線測量と詳細設計で道路計画・構造を固める。
那須西郷線大沢は、余笹川橋梁の大谷開拓橋前後720mの法線を是正するため概略設計で現橋約30m下流側にルートを決めた。新橋は41・6mの鈑桁を軸に路線測量と道路詳細設計で法線を固め、地質調査を先行。橋梁詳細設計の発注時期を検討する。
鹿島川は雨水函渠工事。新規事業化を目指す奈良川は、那珂川水系河川整備計画と整合を図り河川計画を検討。9月までに洪水防御計画検討業務を発注する。19年東日本台風で氾濫し芦野地区に浸水被害が発生。抜本的な改修に向け計画を立案していく。
砂防は余笹川と遅山川、白戸川の既設堰堤の改築に向け測量や設計を継続。工事は腹付けと前庭保護工を想定。蛇尾川は帯工を発注するほか、矢板那須線北側で新たに帯工を新設する詳細設計を発注する。
急傾斜の如来は法枠工、待受け擁壁と杭式防護柵に決め、施工延長が擁壁と防護柵の併設447m。25年度は擁壁工を実施。
橋梁修繕は、大子黒羽線阿久津橋、黒磯田島線湯ノ沢橋が工事、黒磯板室インター線中内鹿野崎橋は設計に着手。5年に1度の目視点検に45橋を予定した。
大子那須線南方、藤原塩原線湯本塩原、塩原矢板線塩原、黒磯田島線深山、黒磯棚倉線梓などで保安林解除手続きや設計、法面対策など防災工事を進めていく。