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栃木県真岡土木事務所

真岡土木、物井寺内線BP 今秋に道路詳細固める、跨線橋、五行川橋梁を予備設計

2025/07/29 栃木建設新聞

 県真岡土木事務所は、真岡市横田~寺内を結ぶ一般県道物井寺内線バイパス(寺内工区)の道路詳細設計を今秋にも固める。真岡鐡道などを立体交差する跨線橋と1級河川五行川を渡河する橋梁の予備設計に着手。バイパス区間1700mを五行川で東西に分け、路線測量、道路詳細設計を発注。構造物の予備・道路詳細設計では旧294号と真岡鐵道立体部、跨線橋と河川橋間の高盛り土構造、五行川新橋の構造形式や副道の配置、オーバーパスする道路へのランプによる接続の必要性などを検討。事業化に備えていく。

 バイパスは国道294号真岡南バイパスの先線となる東進区間。立体交差の利点として①踏切事故の防止②交通渋滞の防止③軌道が堀割的に低い位置にある地形の問題―を挙げた。

 寺内工区は踏切と294号バイパスとの交差点が近接するため平面交差では渋滞が発生し事故を誘発する懸念が高い。また、交差予定位置は軌道を掘り込んで敷設。周囲とは約2mの高低差がある。

 バイパスは西を294号と408号真岡南バイパスとの交差点、東は現道タッチの1700m。このうち五行川左岸から現道タッチまで900mは北関東自動車道の整備に併せ、五行川東県営圃場整備事業を導入。道路用地を確保した。

 バイパス区間は2023年度、概略設計とともに事業化に向け法線に沿って公図公簿調査を実施。五行川右岸には真岡鐵道横断部や大和田富士山古墳が立地。横断部は鉄道と鉄道西側に並走する旧294号、東側は集落道が近接。ボックス工や橋梁形式など構造物予備設計で検討を深め、経済性や施工性などを勘案して構造形式を固めていく。

 五行川に隣接して築造された大和田富士山古墳は5世紀末の前方後円墳。1953年に一部発掘が行われ、鏡や槍、石包丁、直刀、馬具、人物埴輪などが出土。文化財保護の観点から支障のないルートを選定する。

 鉄道横断部から五行川までは高盛り土形式を想定。土地利用は農地に家屋が点在。新設する県道で往来や水利系統が分断しないよう既存の市道や水路を付け替え、ボックス工などで施工する見通し。

 現道幅員は4m程度。バイパス部の幅員は14・5mを想定。幅員構成が車道3・25m×2車線の両側に路肩兼自転車通行帯1・5m×2。歩道は両側に2・5m確保。交差点部は付加車線、盛り土部は副道などでさらに幅員が広くなる予定。

 物井寺内線は294号に408号真岡南バイパスが合流する交差点終点部までのバイパスと、東側は主要地方道つくば真岡線まで現道拡幅区間を合わせ約3500m。このうち現道拡幅区間1800mが10~14年度に県単の安全な道づくり事業を充当し整備を完了している。

 路線測量と道路詳細設計は五行川を境に西側が篠原設計、東を中央測工が担当。バイパス部の西側は3次元点群測量を適用する。詳細設計は西側が富貴沢建設コンサルタンツ、東はダイミック。構造物予備設計は跨線橋が富士コンサルタンツ、河川橋を富貴沢建設コンサルタンツが手掛けている。

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