県芳賀農業振興事務所は、8地区の県営農業農村整備事業を推進する。2025年度の事業費は6億5878万円(計画調査、24年度補正予算含む)。工事は農地整備の芳賀町北部第2で圃整工約25haを5件に分割し、条件付き一般競争入札を早ければ7月末に公告するほか、椎谷(市貝町)のため池改修の発注を計画。里西・星の宮(益子町)、中山間地域総合整備の茂木(茂木町)は実施設計。新規は水利施設整備(簡易整備型)の車堰(真岡市、茨城県筑西市)でラバー交換に向け実施設計を進める。調査地区は穴川用水(同)と南部揚水機場(益子町)。
芳賀町北部第2の25年度事業費は3億8300万円。圃整工は五行川右岸の上延生地区。5件の工事の面積は第1工区5・7ha、第2工区3・3ha、第3工区4・3ha、第4工区4・5ha、第5工区7haを予定。
地区の全体面積は205ha。25年度末の圃整工進捗率は8割弱を見込む。26年度の圃整工は25年度実施箇所の南側、主要地方道宇都宮茂木線バイパス周辺を予定。26年度の実施設計は第一測工に委託した。27年度は区域北東の祖母井北地区を予定している。
椎谷は1億1800万円。区域中央部のため池の改修を予定。現況は土羽構造。6月に土質調査を福原地質基礎に委託。渇水期の工事に向け構造などを検討していく。早ければ9月ごろの工事発注が見込まれる。
小泉・本沼(益子町)は1200万円で換地業務を推進。事業は26年度に完了する予定。
農地整備の里西・星の宮は24年度に事業着手。面積は26・4ha。区域は南北に細長い水田の西谷地域14・7haと一般県道塙芳賀線を挟んだ畑地のケカチ地域11・7haに分かれる形。
水田は盛り土して暗渠排水工を全域に施工し、多様な作物に対応できる地下かんがいシステムを導入。畑地は用水路をパイプライン化し、幅6mのアスファルト舗装道路を整備する計画。
総事業費は8億6800万円。事業期間は24~30年度。25年度は換地計画原案作成や畑地を中心に実施設計を進め、26年度の着工に備える。
茂木は逆川流域を中心に16地区で用排水施設などの農業生産基盤を整備。用水路と排水路は12地区180路線約4万2000m、取水堰は5地区11カ所、揚水ポンプは4地区6カ所、農道は2地区9路線2463m、圃場は下菅又で1・5haを整備。このほか地域活性化施設を「いい里さかがわ館」(飯)の隣接地に建設。情報基盤整備も整備する。
総事業費は約20億円。事業期間は24~33年度。25年度は6453万円で取水施設の堰やポンプ、下菅又圃場整備の実施設計を進める。
車堰(石島)は五行川に設置され、堰幅27・2m、堰高2・9m。ラバーを交換する計画で事業期間25~26年度、総事業費約2億8000万円。25年度は3000万円。工事は26年度に予定し早期に実施設計を委託する。
調査地区の穴川用水は1625万円。大前堰からの水路延長約15・7㎞を調査する。期間は23~28年度。25年度は測量など基礎調査を実施する予定。
南部揚水機場(長堤)は500万円。2台のポンプや電気設備などを調査し、整備の優先順位を見極めながら計画を策定していく。計画設計は国土測量設計に委託した。26年度計画樹立、27年度事業着手を目指している。
事業実施6地区と計画調査2地区以外では基幹水利施設管理事業の芳賀台地(益子町ほか)の施設維持補修などに5443万円を充てる。