県総合企画部は29日、第2回総合計画策定懇談会(座長=前田栄治・ちばぎん総合研究所取締役社長)を千葉市内のTKPガーデンシティ千葉3階「シンフォニアC」(オンライン併用)で開催し、新総合計画の原案を提示した。これまでに委員から寄せられた意見を踏まえ、印旛ゾーンと九十九里ゾーンのほか、香取・東総ゾーンにおいても「空港を核とした国際的な産業拠点形成」を図っていくことを追記した。
そのほか、避難所となる県営施設への非常用電源確保、能登半島において導入された「道路復旧見える化マップ」を参考とした道路の情報収集、洋上風力発電の導入促進、宿泊施設の多様化につながる民間資本の積極的な呼び込み、ごみ処理の広域化・処理施設の集約化などに取り組んでいく旨を加えた。
新総合計画は、基本構想編と実施計画編で構成。基本構想編は、計画策定時を起点におおむね10年後を見据え、県が目指す姿などを示す。実施計画編は、2025~28年度の4年間で重点的に取り組む施策などを体系的に整理する。
基本構想編の「県づくりの方向性」では、県内を東葛・湾岸ゾーン、印旛ゾーン、香取・東総ゾーン、九十九里ゾーン、南房総・外房ゾーン、内房ゾーンに区分している。
空港を核とした国際的な産業拠点形成を図るゾーンおよび地域は▽印旛ゾーン=成田市、佐倉市、四街道市、八街市、印西市、白井市、富里市、酒々井町、栄町などを中心とした地域▽九十九里ゾーン=茂原市、東金市、山武市、大網白里市、九十九里町、芝山町、横芝光町、一宮町、睦沢町、長生村、白子町、長柄町、長南町などを中心とした地域▽香取・東総ゾーン=銚子市、旭市、匝瑳市、香取市、神崎町、多古町、東庄町などを中心とした地域――となっている。
今後は、8月上旬に計画案(最終案)の検討を行い、同月中旬に第3回総合計画策定推進本部会議(本部長=熊谷俊人知事)で計画案を決定し、公表。9月定例議会に計画案を議案として上程する。
熊谷知事は冒頭、新総合計画の原案について「いただいたさまざまな意見を反映するとともに、4年間で取り組む具体的な事業、また実現を目指すべき数値目標などを加え、内容の充実を図った」と説明。「しっかりと良い案を作りたい」との思いを語り、力添えを求めた。