国土交通省が設置した社会資本整備審議会住宅宅地分科会による『住生活基本計画(全国計画)』見直しに向けた中間とりまとめ素案が7月30日の会議で提示された。2050年の住生活を見据えつつ、当面10年間に取り組む施策の方向性を示している。
21年3月に閣議決定した住生活基本計画(全国計画)は、社会経済情勢の変化を踏まえ、おおむね5年後に計画を見直すこととなっている。素案は見直しに向けたこれまでの議論を整理したもの。分科会は11月に中間とりまとめを公表し、これをもとに新たな住生活基本計画(全国計画)の案を議論する考え。26年3月の閣議決定を目指している。
素案では『住まうヒト』『住まうモノ』『住まいを支えるプレイヤー』の3つの視点で具体的な施策のイメージを掲げている。
素案で示された主な施策は次の通り。
【住まうヒトの視点】
▽ICTを活用した見守り住宅の普及促進▽UR住宅団地における医療・福祉施設の充実▽良質な高齢者向け住まいの整備促進▽省エネリフォーム推進▽空き家の有効活用▽子育てしやすい住環境の整備▽公営住宅の整備・管理・所有・運営における民間事業者のノウハウ活用―など
【住まうモノの視点】
▽耐震改修や省エネリフォームの促進▽最低居住面積水準の見直し▽インバウンド観光客の宿泊施設としての空き家活用▽空き家除却促進の支援▽公営住宅や住宅団地の建て替え・リフォーム推進▽密集市街地の老朽化建築物リフォーム推進―など
【住まいを支えるプレイヤーの視点】
▽住宅建設技能者への理解や定着促進を図る出前授業・現場見学会▽女性・外国人など多様な人材の活躍に向けた魅力ある職場づくり▽適正な工期設定による働き方改革の推進▽CCUSの普及拡大による技能の見える化・処遇改善▽中小工務店のDX推進▽市町村計画策定に向けた情報・データの提供、地方整備局を通じた計画策定支援―など