デロイトトーマツグループは、かずさアカデミアパーク研究7区画(木更津市かずさ鎌足)7万5895㎡に「デロイトユニバーシティアジアパシフィックノースイーストアジア」を新設する計画だ。研修室、会議室、飲食を伴うコミュニケーションエリアなどを整備する第1期は、約3000~4000㎡程度で、初期投資額50~75億円。今後、設計・施工者を決定し、2027年頃に着工、29年頃の開校を目指す。進出意向を受け、県商工労働部は30日、「かずさアカデミアパーク進出希望申出書受領式」を県庁本庁舎5階大会議室で開催した。
式典では、熊谷俊人知事(かずさアカデミアパーク研究所等立地推進協議会会長)が進出希望申出書を受領した。
木村研一CEOは、かずさアカデミアパークに進出を決めた理由について「海・山の近さ、自然の豊かさ、空港の近接性、人の暖かさ・熱心さに感動した。食材の豊かさ、食べ物のおいしさ、ゴルフ場の多さも要因になった」と話し、「素晴らしい施設で、素晴らしい運営をしていきたい。日本らしさを感じる設備を備えたい」と展望した。
また、施設の最終完成時における目標として「卓越したリーダーシップの育成」「クライアントとの関係強化」「人脈・ネットワークの構築」「ウェルビーイング」を挙げた。
熊谷知事は「国内外から多くの高度な人材が集まり、ハイクオリティな研修が行われることで、この地域の魅力が高まるなどブランディング効果も大きいと考えている」と話すとともに、「将来的には、さまざまな企業や学生が参加できるビジネスプランの開催場所として活用するなど、多様な人材が交流する場としての機能も有する予定と聞いている。施設の立地に合わせ、より連携を密にし、千葉県の発展につなげていきたい」と期待を寄せた。
有限責任監査法人トーマツの髙尾圭輔・ボードメンバー・パートナー・公認会計士は、施設の設計者・施工者に関して「現段階では検討中だが、設計については、広く知られている企業に依頼することになると考えている」と述べた。
デロイトユニバーシティは、同グループが加盟するグローバルネットワークのデロイトが展開する企業内大学で、米国をはじめ、全世界7か国(うちアジア3か国)にある。ワークショップ型の各種研修活動を通じ、リーダーシップスキルの開発やアイデア創出の体験を提供している。
デロイトユニバーシティアジアパシフィックノースイーストアジアでは、リーダー育成のための研修プログラムを実施するほか、クライアントや地域との価値創造、アイデア創出の場などとしても活用。段階的に、研修室、大ホール、レストラン、ジム、宿泊室などの増設を検討していく。
同グループと県は、立地計画書や環境保全対策書などの審査を経て、立地協定を締結する。県は、立地協定締結まで6か月程度を見込んでいる。