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TXの東京方面延伸へ/秋以降に調査着手

2025/08/02 日本工業経済新聞(茨城版)

 つくばエクスプレス(TX)を運営する首都圏新都市鉄道は、TXの東京延伸に向けて、秋以降に社会経済的効果、機運を醸成するための調査に着手する方針を明らかにした。7月31日に開かれたTX長期ビジョン2050の発表会見の中で、同社の渡邉良社長が明らかにした。国の交通政策審議会で位置づけられていることや沿線自治体の期成同盟会の強い要望を受けて行われる。

 TXの東京延伸については、交通政策審議会の答申で2016年と21年に2回にわたって、現在、東京都が進めている臨海地下鉄線の整備にあわせてTXの東京延伸を一体的に整備することが望ましいとされている。また、交通政策審議会の内容について沿線自治体で構成される期成同盟会から強く推進が要望されている。

 渡邉社長は「現時点で、整備主体や運航主体に決まったわけではない」としながらも、鉄道整備による地価の上昇効果、沿線価値の評価、産学官の研究機能、東京直結による効果、災害時の防災、リダンダンシー機能などを中心に社会的意義の知見、機運醸成を図るための調査を1年程度かけて行う方針だ。

 一方で、県内の土浦方面への延伸については、「具体的にコメントする立場にない」としている。

 TX東京延伸については、同日には発表された長期ビジョン2050のロードマップでも交通政策審議会答申プロジェクトへの対応として盛り込まれている。

 このほか長期ビジョン2050では、TXの2050年の目指す姿として20駅の鉄道ネットワークを基盤に沿線地域とコラボレーションにより、沿線価値を共創していく。

 主な取り組み内容では、人と機械・システムの全体最適化による安全性・安定性の向上や予知保全に基づく保守による故障の未然防止。AI等を活用した災害リスクの予測と対策の高度化、異常時の迅速な復旧体制の構築と柔軟な適用力の強化。駅・高架下からつながる沿線まちづくりへの貢献。安心の駅空間形成への設備整備、サービス提供などを掲げる。

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