国土交通省が設置する中央建設業審議会(中建審)の『労務費の基準』に関するワーキンググループ(WG)が18日に開催された。会合では事務局が労務費に関する基準の素案を示し、大筋で委員の了承を得た。同省では素案内容の詳細を詰め、10月に開かれる次回会合で提示する方針。
労務費の基準は、技能者の経験・技能に応じて適正な賃金の支払いが行われるよう、公共工事・民間工事を問わず、工事契約において適正な水準の労務費確保を目的とする。基準は職種分野ごとに具体値を設定し、発注者と元請、元請と下請などの契約において、適正な支払いが行われることを確保する。
会合で示された素案では、基準文書は基本的な考え方を明記するものとし、具体値は文書に添付しないこと、値の決定・改定は国交省が行うこととした。具体値決定に当たっては、職種別意見交換を経たうえで適正な水準を算出する。また労務費の基準の実効性確保についても、基本的な考え方や取り組みの概要を文書に記載する。
素案では、労務費の基準値を「公共工事設計労務単価(円/人日・8時間)×歩掛(人日/単位施工量)」で計算することとしている。歩掛については国交省直轄工事の歩掛を活用することを原則とするが、活用可能な公的機関の歩掛があれば、それも活用する。
基準の実効性確保の取り組みとしては、受注者が基準を踏まえて見積もりを作成すること、注文者が見積もりを尊重して契約締結すること、建設Gメンによる指導・監督、公共工事の落札候補者に対して労務費ダンピング調査(仮称)を行うことなどが示されている。

















