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(社)新潟県建築設計協同組合

FMの説明など講演/25年度技術研修会開く

2025/12/11 新潟建設新聞

 県建築設計協同組合(長橋鉄雄理事長)は5日、2025年度技術研修会を県民会館で開催した。同組合会員や県職員など90人以上が参加。前橋工科大学工学部環境・デザイン領域准教授の堤洋樹氏が講師を務め「公共施設は地域の拠点」~縮小社会のなかで建築技術者が認識しておくべきこと~と題した講演を行った。

 堤氏は、施設単体に着目した部分最適が、提供されるサービスなど周囲の環境まで含めた全体最適につながるとは限らないとした上で、全体最適を目指すファシリティマネジメント(FM)の考えについて説明。とある自治体の小学校が、全面耐震化を行った翌年度に廃校した事例を挙げ「従来の視点なら早急な耐震化が不可避な状況でも、FMの視点から対応を考えれば恐らく全面耐震化は不要」とした。

 公共施設等総合管理計画を策定しても計画通り実行できていない、具体的な実施内容が不明な場合が多いことを指摘。計画と名前はつくものの、総合管理計画はより具体的な計画を策定するための情報整理であり、円滑な施設整備に不可欠な現状把握・情報共有のツールとして利用することが重要であると述べた。

 堤氏の研究所が群馬県の広瀬団地で手掛けている地域創生支援スキーム「大学生の生活支援から展開する多世代協働の団地再生プロジェクト(LIFORTプロジェクト)」を例に、FMの重要性を説明。コミュニティの人数や範囲が小さくなり、隙間が増えてきている地域における施設整備では、この隙間をつなぐ地域拠点とする必要があるとした。

 このほか、県土木部都市局営繕課の田澤哲也主査と今井雄一建築調整員が、営繕業務の概要や設計を行う上での留意事項について講演を行った。

【写真=90人以上が参加した】

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